梓川河童のページ

アクセスカウンタ

zoom RSS 今日読み終わった本―「平の将門」

<<   作成日時 : 2018/06/08 21:41   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0


今日読み終わった本:

『平の将門』 吉川英治 講談社吉川英治文庫 昭和50年7月

終活の蔵書整理の一環で、処分前にもう一度読み直しておこうと本棚から引っ張り出した本。この時代を背景にした物語が殆どないので、改めて歴史の空間を埋めたいとの意味合いがあった。

結論から言って、物語の展開や盛り上がり、狂言回しの架空の人物が登場しないという点で、数多く読んだ吉川文学の中で最もつまらない作品であった。歴史上、天下の逆賊と位置付けられながら、それを肯定するでもなく否定するものでもない中途半端な記述である。またこの時代の逆賊の両雄とされた藤原純友の動きも良く書かれていない。

この作品を激賞した末尾の杉本苑子による書評でその理由が判った。この作品が連載され始めたのと相前後して、別の雑誌への大長編「新・平家物語」の下調べと連載が始まり、「新・平家」を調べる内に、そちらにのめりこんでしまった。「二本同時期の連載はきつい」と流石の作者も弱ったようである。確かに、「新・平家」を読んでそのスケールの大きさを実感すると良く理解出来る。

長編小説の多い吉川作品で、本来なら「平の将門」も規模を拡げて長編になるべき題材と思われたが、この作品は一冊で終わっている。末尾の書評にも、『文芸評論家の評言に従えば、吉川文学の他の作品に比較して、必ずしも成功とは言えないとなっている。終わりに近づいて腰がくだけたという訳だ』とある。

誰が読んでも同じ思いらしい。他の作者が取上げない時代を舞台にしているだけに、もっと腰を落ち着けて書き込んで欲しかった。尤も、古典「将門記」しかない資料不足の中では、意気込みも殺がれたに違いない。




テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
今日読み終わった本―「平の将門」 梓川河童のページ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる