高齢者は探しもので時間を潰す

最近は自分でも諦めの境地に入って来たが、要するに何でも良く忘れる。紹介して貰ったばかりの人の名を忘れるばかりでなく、現役時代に公私ともに親しくしていた人をOB会で逢った時に名が思い出せない。人名だけではない。知人と会話している中で話題としている地名や建造物の名が、喉の奥まで出掛かっていながら出て来ない時のイライラ感はどうしようもない。極端な場合、インターネットで調べようとしてパソコンの電源を入れ、IEが立ち上がった瞬間、何を調べようとしていたのか忘れてしまうことも多い。諦めて、パソコンをシャットダウンした途端に思い出した時の失望感は何に譬えん方もない。

今日のブログ・テーマの忘れ物は、この記憶力のことでなく、「置き忘れ」のことである。勿論どこに置いたか忘れるのは広義の記憶力の範疇に入るが、ウッカリして自分の所有物を置き忘れた「場所」と「所有物」についての話である。

忘れ物の筆頭はメガネであった。これは百円ショップでメガネ・スタンドを買ってきて、外したメガネはその場所以外には置かないよう苦労して習慣付けた結果、それまでのような大騒ぎは影を潜めた。それでも、メガネを入れたままスタンドを持ち歩き、それを置いた場所を忘れる後遺症は暫く残った。

次に置き忘れが多いのは、常に持ち歩いているためどこかに置く必要がない筈の携帯電話。それでも、洗面場やトイレで用を足す場合など、何の気なしにヒョイと置く場合がある。マイカーのドア・ポケットなどは絶好の置き忘れ場所である。幸い携帯電話は、家の固定電話から呼び出して着メロの音源をたどるという救済策があるので、時間をかけて探し回ることはあまりない。

難儀なのはデジカメ。最近のものは小型軽量のため所持している実感がない。冬場のある日、ジャンパーのポケットに入っているのに気が付かず、ジャンパーを着たまま探し回ったことがあった。もう少し厄介なのが iPod touch で、大きさが名刺とほぼ同じ、長さが約1cm長い程度、厚さが名刺入れより薄く、一旦置き忘れると簡単には出てこない。メール機能もないシロモノなので、呼び出し音で逆トレースも出来ない。散々探しても見付からず、もう出て来ないものと諦めて文庫本を読んでいたらページの間に挟まっていたことがある。

その他、スーパーや家電量販店で買ってきた商品・部品など、今まで時間をかけて探したものは無数にある。第一の確認事項は、外出から帰った時に問題の遺失物の存在が確認されていたかのチェックから始まる。このトシだから、この点の記憶はすこぶる曖昧である。次の確認は、帰宅した時にはその存在が確かめられていたとの前提で、自分がどんな動線で家の中を動いていたかを思い出しながら足跡を辿って、その周辺を探してみる。怪しげな記憶の中での作業のためか、このルートの中で遺失物が出て来た例は少ない。

こんな探索作業は、年金生活者になって時間がある世代でないと出来ない。うまくしたもので、置き忘れの件数が増えるのはこの年齢層になってからで、ヒマを弄ぶ世代には格好の時間潰しの機会を与えてくれるのである。但し、年寄りは気が短い。探索作業中にフラストレーションを感じて、精神衛生に悪いと以降の調査を諦める傾向にある。

どの道、時間は十分にある。ここは一番忍耐力を発揮して探索作業を続け、遺失物を発見した時の何とも言えない達成感を味わう天与の機会と思って作業を続けることにしている。


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