バリアフリー建築のバリア

最近建築される建物は、公共建造物は勿論のこと、新築マンションでも殆どがバリアフリー建築になっている。段差がなく、階段の横にスロープを併設するか、スペースの余裕が無ければ、2~3階建でもエレベータが設置されている。そのバリアフリー建築に意外な盲点があり、これがバリア即ち障害となっている箇所があった。

その場所とは玄関口である。靴を脱がずに、そのまま部屋に入れる場合は問題ないが、玄関で靴を脱いで部屋に入る場合が問題となる。マンションなどもそうだが、バリアフリー構造の学校新築校舎も同様である。

バリアフリーだから、一段高くなっている玄関の上がり框(かまち)がない。従って、靴を脱がねばならない場合は、平地で靴を脱ぐようなものである。学校や町内の運動会で、テント内に敷かれたゴザに座りに行くのに似ている。

靴を脱いで部屋に入る場合は特段の苦労や障害はない。問題は、帰りに部屋から出て来て、靴を履く時である。高齢者になって身体が固くなると、身を屈めることが出来なくなる。地べたに座り込んで靴を履き、靴紐を結ぶために身体を曲げることが出来ない。つまり、玄関の上がり框がないので座ることが出来ず、靴が履けないのである。

料亭や旅館では、バリアフリーの玄関口には大抵椅子が置いてある。以前なら玄関の上がり框があって、そこに腰掛けながら靴が履けたのに、腰掛ける場所がなくなったため、移動式の框即ち椅子の出番となったのである。

この間、かかるバリアフリーの玄関框のないマンションにお邪魔して辞去する時、靴が履けなくで難儀した。結局靴紐を結ばないまま立ち上がろうとしたが、今度は立ち上がれない。つかまり立ちするためのバーとか柱がないからである。仕方なく、玄関のタタキに両手を突いて四つん這いになってから、やおら立ち上がるしか方法がなかった。お陰で手が埃だらけになったが、洗面所で洗おうとすれば、また靴を脱いで上がり込まねばならない。お陰でハンケチを一枚オシャカにしてしまった。

バリアフリー構造は、こんなところに障害があったのである。

このブログ記事は、平地でも平気で身体を屈めて、自由に靴紐が結べ、そのまま立ち上がることが出来る程身体の柔らかな若い人には全く理解が出来ない内容であるが、身体が固くなった年寄りには身につまされる人もいる筈である。

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