時代劇ロケ場所の定番


テレビのKBS京都とかBBCびわ湖放送で、毎日古い時代劇の再放送をしている。「大岡越前」とか「大江戸捜査網」などで、時々片岡知恵蔵などが出て来る40年も前の、毎回一回で終わる短編ものである。我が家のカミサンが時代劇ファンで、毎日昼食時に昼のニュースの後で見ているので、こちらも見るとはなしに見さされている。

その中で、池の畔のシーンとか、古ぼけたお堂が出て来ると、そこがどこでロケされたものか直感的に判る場所がある。京都は嵯峨野大覚寺の大沢の池で、ドラマの中では場所の名前は出ないが、番組が終わって最後にスタッフなどの名前が出る時、”協力:大覚寺”と出るので、「やっぱり!?」と納得する。

何故判るかと言えば、かって嵯峨野に住んでいた時、特にスケジュールのない日曜日には、自宅から徒歩20分のところにある大覚寺の大沢池に良く散歩を兼ねて訪れたものである。池の東北角に古い小さなお堂があり、その縁に腰掛けて本を読むのが習慣であった。大覚寺境内に入るためには拝観料が必要であるが、大沢池周辺はどこからでも入れるのでタダである。夏の暑い日には緑の木陰となり、初春の暖かい日は格好の日向ぼっこの場所であった。

ある時、いつもは歩いて行く大沢池に自転車で行って、いつものお堂の縁に座って両脚をぶらぶらさせて本を読んでいると、東映太秦映画村の派手なロゴを付けたマイクロバスが境内外の駐車場に停まり、ロケのスタッフが下りてきた。暫く撮影風景を見ていると、「水戸黄門」のロケであることは、カメラの横に座っていた東野英治郎の衣裳で直ぐ判った。

その内、助手らしい若い人が私の座っているお堂に走寄ってきて、「申し訳けないが、カメラにオタクの自転車が写るので移動させてくれませんか」と言いながら、勝手に私の自転車をカメラ後方の林の方へ持って行った。私も移動してくれとの意味であることは直ぐ判る。仕方なく助手の後からついて行くと、彼は自転車のスタンドを立てて、「お邪魔をして申し訳けありません。ホンの二時間程で終わりますから」と言い残して撮影現場の方にとって返した。彼の立ち去った後、私の自転車の前籠の中に、缶ジュースが三本、無造作に放り込んであった。

これ以外に、撮影のためお堂から追い払われたことは何回となくあった。しかし、ロケ隊から催促される前に自主的に席を外したものである。ロケが行われるのは、池の東北のお堂のある周辺に限定されている。その他の場所では、観光客の溜り場になっていたり、電線や車のタイアの跡が写り込むために、時代劇には適さないからである。だから、ドラマに出て来る風景は、自ずから判るものである。

確かめた訳ではないが人の噂では、大覚寺はロケの場所を提供するだけで良い商売になっており、東映太秦映画村は上得意客ということであった。

古いテレビドラマを見ながら、40年前の昔を思い出した。




ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

面白い

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック