左手で箸を使うのを見る違和感


川柳に、”食べている、チャンネル替えても食べている”とか、”リモコンの どれを押しても あぁオイシイ!”とある程、最近のテレビ番組にはグルメ番組が多い。その中で、左手で箸を使っているタレントや女子アナが多いのが目に付いた。

私の小学生時代の友人で左利きがいた。ただ、箸を持ったり、鉛筆で字を書く時は、右手を使うよう物心がつく前から親に矯正されていた。ほんの幼い時からだったので、何ら苦痛を感じたことはなかったと言う。野球は左投げ左打ち、ハンマーを叩くのも左手で、食事と筆記以外は全て左と言っていた。

ところが、最近はかかる矯正は行わないらしい。我が子に過大な負担をかけない、甘やかした養育の精という人もあるが、左利きに対する批判は差別であり、その差別解消のために敢えて矯正はさせないと言う人もいる。

ただ、食事をする時は、テーブルマナーと言うものがある。箸を持つのは右手であり、それも親指、人差し指、中指の三本の指を使った古来からの持ち方がある。私は海外駐在の他にも数多くの海外出張があり、海外顧客との会食或いは一人でレストランに入って周囲の現地の人の食事の方法を見ても、ナイフとフォークを逆に持っている人を見たことはない。外国には左利きの人が多いが、右手にナイフ、左手にフォークは誰もが同じである。

インドの友人の話では、地方によっては今でもナイフやフォークを使わず、料理を手で掴んで食べる風習が残っているが、右利き左利きの区別なく、右手で料理を摘んで、左手は服の下に隠して食べるらしい。これが食事のルールでありマナーでもあると言う。

昔、ヒッチコック監督の、「見知らぬ乗客」という映画があった。テニスコートの観客席で、全ての観衆が選手の打つボールを追って、一斉に同じ方向にクビを右や左に動かしている中で、一人だけある人物を凝視して首を動かさない人物がいるシーンがあった。観客全員が同じ動きの中で、ただ一人動かない人物の姿は、それだけで背筋を寒くさせるスリルがあった。これと同じで、レストランで多くの人が右手で箸を使っている中で、一人左手で箸を使う姿は誰からも目に付くものである。

堅苦しいことを言う必要はない、食事は美味しく楽しめば良いと言う人が多いと思うが、食事を摂るには自ずから礼儀というものがある。テレビの画面に出て、多くの人が見る番組で、左手で箸を使っているのを見ると違和感があるだけでなく、どんな生活環境の家庭で育って来たのかを疑いたくなるのは我々古い世代の印象だろうか。

そう言えば、テレビのCMでも食べている場面があるが、左手で箸を使う人が出ないのは、やはり自制が効いているからだと思う。


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