蘇ってきた映画「カーネギーホール」

その映画を見たのは、私の中学生時代だったかも知れない。いや、その映画の中に綺羅星の如く、次々と登場する名指揮者、名演奏家の名前や顔を殆ど知っていて、その豪華さに圧倒されたので、もう少し年を喰っていた可能性がある。いずれにせよ、1947年に撮影された古い映画で、題名は「カーネギーホール」。

その後、クラシック音楽を広く深く聴き進んでいた中で、もう一度上映して欲しい或いはテレビで放映して欲しいと願っていたが実現せず、すっかり諦めていた。最近、インターネット・サーフィンをしていたら、偶然にもその映画がYouTubeにアップされていたのに出くわしたのである。

初めは、予告編かダイジェスト版かと思っていたが、全編2時間16分の完全版である。米国でアップされたと思われ、公開されたのは今年2015年3月12日、私が見つけた時のアクセス数は7,755人と比較的新しい。今まで再上映もテレビ放映もなかったのは著作権の関係で、今年になってその期限が切れたのかも知れない。

兎に角、懐かしく、相変わらず素晴らしい作品であった。映画のストーリーは家庭ドラマ風で面白くないものだったが、特別出演で出てくるアーティスト達が豪華過ぎる。トップをきってブルーノ・ワルターがニューヨーク・フィルハーモニックとワーグナーのニュルンベルグのマイスタージンガー第一幕前奏曲が流れる。我が家に何枚もあるレコード・ジャケットから、ワルターの顔はお馴染みである。静止画だけで馴染んでいたワルターが、堂々と指揮棒を振ってオーケストラをリードする光景を見るだけで胸が躍る。

続いてソプラノのリリー・ポンス、チェロのピアティゴルスキー、指揮のロジンスキー、ピアノのルービンシュタイン、テノールのジャン・ピアースなど、画面に名前の字幕が出なくても顔で直ぐ判る人達が登場する。ルービンシュタインなどは、その人気からか、ショパンの英雄ポロネーズとファリャの火祭りの踊りの二曲も演奏してくれる。ジャン・ピアースと同様、演奏だけでなく短いセリフも披露してくれた。

初めて映画館で見た印象でもそうであったが、劇中の圧巻はヤッシャ・ハイフェッツがフリッツ・ライナーの指揮で演奏するチャイコフスキーのバイオリン協奏曲である。演奏時間も長く、昔の印象と少しも変らない。

その他に、レオポルド・ストコフスキーやジャズ・トランペットのハリー・ジェームスまで出て来る。70年近くも前の撮影だから出場者は皆んな若い。ピアティゴルスキーなんか、後年の老大成した容貌の印象しかなかったが、艶のある若々しい表情が印象的だった。オーケストラは全てニューヨーク・フィルハーモニックであるが、気付いたのは、ハープ奏者以外は団員が全て男性であるということである。今のように女性が華やかなドレスを着て混じっている光景はない。その意味で、当時の楽壇の様子も判る記録的な映画でもある。

今回、この動画を見て驚いたのは、画面が極めて鮮明なことである。勿論、全編モノクロであるが、今の言葉で言う高画素の映像である。演奏者の指や腕、口の動きと音楽がずれる箇所もあったが、何とも楽しい映画だった。興味ある方は、下記のサイトからアクセス出来る。

https://www.youtube.com/watch?v=ruvljAjzscg





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