今日読み終わった本―「次郎長三国志」

『次郎長三国志』(上)・(下) 村上元三 角川文庫

YouTubeでショパンの「舟歌」を聴いていたら、画面右側に同じ曲を「次の動画」として異なったピアニストの演奏が選べるよう、小さな画面が縦にズラリと並んでいる。その中にどういう訳か広沢虎造の“石松三十石船”が混じっているのが目に付いた。懐かしくなって聞き通し、久し振りに次郎長を読んでみたくなったのが動機である。

なにせ昭和27年初版の古い本である。市の図書館には蔵書がない。滋賀県には全市の図書館の蔵書を横断検索するシステムがあり、お互いに貸し借りが出来る。調べると隣の市で持っていることが判ったので、我が市の図書館に取寄せを依頼した。係員は自分の図書館にない本の希望と言うことで、余程の専門書と思ったに違いないが、書名を見て変な顔付きをしていた。

この本は中学生の頃に読んだことがある。各章が次郎長の子分や関係者一人一人を主人公にする内容で、その章の終わりには次の章の主人公を登場させて全体をつないでいる。桶屋の鬼吉から始まり、最後は次郎長伝を有名にした講談師の神田伯山まで23章で構成されている。

ストーリーは既に承知なので新鮮味はないが、子供の頃、広沢虎造の浪曲を連続ラジオ放送で大人達と床机に座って夕涼みをしながら聞いた時代を思い出し、胸が疼く思いをした。

今でいう反社会勢力の世界である。同じ世渡りをする人間に気軽に寝食を提供する風習など別世界の話だけにある意味で面白い。清水一家の派手な活躍に胸がすく活劇ものだけに、元気だった子分達が次々と先立ち、長生きした次郎長が、「みんな先に逝きやがった」とつぶやく終章が印象的であった。





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