今日読み終わった本―「人切り以蔵」

『人切り以蔵』 司馬遼太郎 新潮文庫 昭和44年12月

歴史書や時事問題解説、長編文学など堅苦しい本と平行して、肩の凝らない小説を読んでいる。それも、新書版か文庫本で短編集が手頃である。作者は、主に松本清張や司馬遼太郎などが好みである。今回もまた司馬作品を図書館の閲覧棚から無差異に選んだ。

中味は“鬼謀の人”(主人公:大村益次郎)、“「人切り以蔵」”(同:岡田以蔵)、“言い触らし団右衛門”(同:塙団右衛門)、“売ろう物語”(同:後藤又兵衛)など、短編8編が納められている。司馬作品は特に戦国時代と幕末・明治維新を舞台にした作品が多い。その頃の古文書などの史料収集と研究の豊富さによるものであろう。

“鬼謀の人”は長州の大村益次郎を題材にしたもので、司馬文学の別の長編“花神”全3巻の主人公でもある。戊辰戦争を勝利に導いた立役者で、後の日本陸軍の先駆けとして知られている。長編と短編を使い分けて描写した力量は見事である。

塙団右衛門と後藤又兵衛は、私の小中学生の頃に好んで読んだ立川文庫の講談集で取上げられた懐かしい人物である。立川文庫の講談では、この二人の他に岩見重太郎や三好青海入道、木村又蔵などの無類の豪傑として人気があり、特に塙団右衛門は三国志の関羽をモデルにしたような沈着勇壮な偉丈夫の印象があったが、司馬作品では戯画的な滑稽な人物のように描かれていて、少年時代の夢を壊された感じがした。







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