今日読み終わった本―「五稜郭の戦い」



『五稜郭の戦い』 菊池勇夫 吉川弘文館 平成27年10月

“蝦夷地の終焉”の副題が付いている。市立図書館の歴史コーナーの書棚にあり、本の表紙には歴史文化ライブラリーとあるので小説でないことは直ぐ判る。

五稜郭の戦いは、維新の戊辰戦争の最後の舞台である。徳川幕府へ最後まで忠誠を守り、戦いを避けて雄大な北海道を開拓して自立政府を作り上げようとする榎本武揚の壮大な計画や、京洛での絵になる活躍を披露した土方歳三の最後の場として、格好の物語性を有する歴史上の一幕を提供したので、数々の小説の題材となっている。多くの幕末・維新の激動期を題材にした物語は、大概の場合、この五稜郭の戦いをもって幕切れとなっている。

その幕末・維新史の最後の部分、五稜郭の戦いだけに焦点を当てて、数ある関係する史料を集大成したのが本書である。従って、物語性を一切排除し、史料に残されている“事実”だけを時系列で列記したもので、小説ではなく、学術研究論文ともいうべき書物である。

そのくせ、新書版形式を取っているので、誰もが手にしやすく、読み辛い史料原文を読み下し式に改めて近づきやすい配慮がなされている。

小説や映画、ドラマで誰もが知っている五稜郭の戦いの沿革が集約されているので、その展開を記憶の奥から呼び起こしてくれる書物として興味があった。

ただ、発刊されてからまだ一年を経ておらず、何故現代のこの時に発表されたかは不明だが、恐らく著者の長年の研究を発表する時期として刊行に踏み切らせたものと思われる。





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