今日読み終わった本―「峠」


『峠』(上)・(中)・(下)巻 司馬遼太郎 新潮文庫 1968年

このところ読んでいる本は小説にしろ歴史書にせよ、戊辰戦争が中心の幕末・明治維新を舞台としたものが続いている。読んでいる本の中に引用されている関係著書やその中に登場する人物に触発されて、より詳しく知りたいとの思いによるものである。今回の『峠』も戊辰戦争で、薩長中心の新政府軍を悩ました長岡藩の河井継之助を主人公とした歴史小説である。

主人公の河井継之助は身分の低い家筋の生まれで幼少の頃は腕白ながら、その後読書や遊学、佐久間象山などの多くの塾で研鑽して人物を磨き、その能力を買われて長岡藩の家老にまで登り詰める立志の人で、司馬遼太郎が好んで取上げる人物である。戊辰戦争を舞台にした小説や史料の中で北越戦争の頑強な抵抗者として僅かに登場し、名前だけ知られていたが、『峠』によってその全容が紹介されたというべきだろう。

激烈な改革の波が押し寄せる時代に、新政府軍にも旧幕府側にも属せず、列強に囲まれて永世中立を守るスイスのような地位を貫く信念を最後まで維持していた。その理想を語り合う福沢諭吉との対談が、この物語の圧巻の一つと感じたが、これは作者のフィクションで、実際には両者の会合の記録はないらしい。

最後には中立が維持出来ないとして、奥羽列藩同盟に加わったが、これは単に長岡藩の置かれた地理的理由だけでなく、横暴な薩長に対する抵抗とされている。ただ、長岡藩は彼一人の判断と行動で没落の道を進んだ訳だが、今地元ではどう評価しているかはこの小説では触れていない。




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