人目に触れない胎内仏の神秘

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大津の石山寺で、33年に一度開帳される本尊の如意輪観世音菩薩が一般公開されている。同じ企業に勤務していて、地元滋賀県に住むOBが集まり、紅葉狩りを兼ねて山門前に集合した。紅葉はやや盛りを過ぎたが、まだ境内一帯は鮮やかな彩りで覆われている。

33年振りに御開扉された本尊は、平安時代後期の作であるが実は二代目で、初代は古く天平時代にまで遡るが、本堂が火災に遭った時に大きく損傷したため後年再建されたものである。その本尊の内部空洞に、初代本尊の足指などの断片と4体の銅製の仏像が納められていたのが、2002年に奈良国立博物館の調査で発見された。この4体の仏像は遠く飛鳥・天平時代の作で、初代本尊の内部に納められていた胎内仏であることが判った。今回本尊開帳を期に初公開されたものである。

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(撮影禁止のため石山寺HPより借用)

人目に触れない本尊の内部に納められたのは、母親の胎内に見立てたそうである。石山寺の本尊だけでなく、他の寺でも再建された本尊の中には、それまでに実在していた仏像を納めたり、初めから胎内に納める積もりで作られたものがあるらしい。

先般の熊本大地震の時、熊本城の崩れ落ちた石垣の中から、逆さまになった石の地蔵が石垣の一部として城を支えていたのが発見された。人の眼に触れないよう他の石で隠されていたという。

胎内仏を本尊に納める時、彫刻師は以降の人の眼に触れないこと、あがめられることのない将来を送ることに強い不憫の思いをしたに違いない。一方では、いつまでも本尊の胎内に守られて損傷する懸念なく、末永く残されることを願ったのかも知れない。







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