負の歴史を象徴する遺産を抹消


米国バージニア州で、92年前に建造された南北戦争時代の南軍指揮官リー将軍のブロンズ像を撤去する市議会の決定に端を発し、賛成と反対派の大規模な衝突に発展した。

市議会の決定は、奴隷制度を続ける南軍の象徴を残すことにより市の地位が下がり、人種差別撤廃の国の方針に反するとの理由によるが、反対派は州の英雄リー将軍の歴史的な偉業を軽視し、米国の歴史を書き換えようとするものであるとしている。

平たく言えば、撤去反対派は白人至上主義とされるグループであり、撤去推進派は人種差別に反対するリベラルなグループである。トランプ大統領は、撤去反対の声明を出したが、その理由は同氏の潜在的な白人主義からではなく、「美しい記念碑や銅像の撤去でわれわれの偉大な国家の歴史と文化が散り散りになるのを見るのは悲しい。歴史を変えることはできないが、そこから学ぶことはできる」とし、「次はワシントン像やジェファソン像を狙うのか」と言っている。日頃の過激な発言に比べると我が意を得た思いである。

ソ連が崩壊すると各都市に建っていた巨大なレーニン像が次々と引き倒された。イラクのフセイン大統領が処刑されると、バグダッドでフセイン像にロープを巻き、市民が引き倒す光景がテレビで全世界に放映された。いずれも実際に通過して来た歴史の象徴である。それを壊すのは、その国の歴史を抹消するものであり、本来は保存すべきである。

リマ市の中央郵便局ビルの脇に、スペインの侵略者のピサロ像がひっそりと建っている。祖先のインカ帝国を崩壊させた張本人だが、連日新しい花が供えられていた。




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