今日読み終わった本―「新太平記」

今日読み終わった本:

『新太平記』(1)~(5) 山岡荘八  講談社山岡荘八歴史文庫 昭和61年8月


NHKの大河ドラマで一番多く取上げられる時代は幕末、次いで戦国時代であるが、私の日本の歴史で好きな時代は南北朝である。我が家の書棚には、今回読んだ山岡荘八の「新太平記」全5巻の他に、吉川英治の「私本太平記」全6巻が並んでいる。両方とも何度となく読み返し、今度も吉川本を読みたかったが、こちらは手持ちのブックカバーに入る新書版でなくB6版の単行本サイズで持ち歩きに不便だったため、自然と山岡本となった。

「太平記」には少なからぬ思い入れがある。小学校の図書館蔵書を読み漁っている内、「平家物語」の原文があった。例の「祇園精舎の鐘の声」から始まる七五調の心地良い文調の本に赤ペンでメモが付されている。同僚か先輩が読んだと思うと、競争心にかられて訳が判らないまま全文読み通した経験がある。その前に、少年少女版「源平盛衰記」を読んでいたので荒筋は承知していた。朱筆メモは生徒でなく教員だったのは後で判った。

「平家物語」原文読了の勢いで取り掛かったのが「太平記」である。『蒙ひそかに古今の変化を探つて、安危の所由をみるに、覆つて外なきは天の徳なり』の冒頭は今でも覚えている。こちらは途中で挫折してしまった。「源平盛衰記」に相当する子供向けの本がなかったためであろう。

私の一世代前は、楠正成を稀代の忠臣とし、足利尊氏を史上最悪の逆賊と教えられて来たと聞く。吉川本はその尊氏の名誉回復をテーマとしたが、山岡本は明治教育を踏襲し、楠正成崇拝で進めている。一方、真の逆臣は尊氏の弟の直義と執事の高師直としている。

吉川本は尊氏の死で終わっているが、山岡本はその前の新田義貞戦死で巻を閉じている。双方とも古典太平記の丁度真ん中で終っているが、それだけ原作のスケールが大きいことを意味している。






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