女性が土俵に上がれば~


舞鶴市の大相撲巡業中、土俵上に挨拶に立った市長がくも膜下出血で倒れた。急いで土俵上で心臓マッサージなどの救命処置を施すため駆け上がった警察官やスタッフの中に、観客の女性が複数含まれていた。協会側は場内放送で「女性の方は土俵から下りてください」と数回促していた。

米国ワシントンポストもこの事件を取上げ、「”女性は不浄(unclean)”として土俵から追い払われた」の見出しで報道した。

これらの女性は看護師など医療関係者で、相撲協会は、「人命にかかわる状況には不適切な対応で深くおわびする」と謝罪のコメントを発表した。

命に関わる症状を目の前にして駆け寄るのは、医療に従事する人達の本能であろう。土俵が女人禁制という規則があるのは念頭になかった人道的な行為に違いない。

女人禁制がしかれているのは相撲だけではない。祇園祭の鉾には江戸時代から女性は乗れない伝統があった。近代化の流れに何基かの鉾が女人禁制を解いて女性を受け入れたところ、その鉾が倒れて怪我人が出たり、運行不能になったことが一回や二回ではなかった。私が京都に住んでいた子供の頃、長刀鉾が女性を乗せた日に倒れ、四条通りを塞いでしまった事件を覚えている。祇園祭の鉾は、今では殆どが女性を登らせているが、長刀鉾と他の何基かは今でも女人禁制を貫いている。

他に有名なのは奈良県の大峰山や、同県桜井市の大神神社背後に聳えるご神体の三輪山は女性登山家が団体で押しかけて抗議しても、頑なに女人禁制を貫いている。古事記によれば、山をつかさどる石長比売は本来は女神であった。今でも自分の夫人を“我が家の山の神”という人がいる。伝統的に矛盾した因習なのである。

相撲の世界でも、日本書紀の昔から女相撲の記述があり江戸末期まで続いていたらしい。ただ女相撲も上半身裸のため、明治に入ってから風俗取締りで土俵から女性を締め出した。これが女力士だけでなく女性そのものを土俵に乗せなくなったとの記録がある。

従って今回舞鶴市巡業の事件でも、人命救助の緊急事態として駆け上がった女性は上半身露出の裸ではなかったので、締め出すいわれはなかったのである。ただ舞鶴では、女性が土俵から降りた後、大量の塩を撒いたといわれ、これも批難を浴びている。





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