「ペーパーレス」は死語に

パソコン導入による文書作成・文書管理が可能になり、事務所から紙を失くそうという動きが起こったのはもう20年以上も前である。紙の原料となる木材を守る地球環境保護の運動とほぼ軌を一にしていた。それが一向に進展していない。日本で平成28年度一年間で国の行政機関から生み出された公文書・行政文書は271万ファイルだったとの調査がある。一日当たり1万ファイルの勘定である。

全社の輸出業務を担当する部署に勤務していた現役時代、社内でも有数の“紙喰い虫”で日々に生み出す多量の書類をファイルする時間もなく、勢い各自の机にはうず高く積まれた書類に囲まれた僅かのスペースが仕事場だった。必要な1枚の書類を、三方に積み重なった書類の山から即座に見つけ出す特殊技能を持っていた。

時間をみつけてはファイルに綴じ込むのだが、後で参照したり引用の便のためでなく、机の上のスペース確保が主であった。その時の合言葉が、「後で見ることのない書類は積極的に廃棄すること、綴じ込む場合は後で直ぐに抽出出来るよう判りやすいインデックスを付すこと」であった。

モリカケ問題・日報問題で、国会で”無い”と公言していた書類が続々と出て来たのは意図的な嘘の答弁もあったが、分かり難い抽象的なファイル名を付けていたので、お目当ての文書が見付からなかったらしい。第三者に見付からないよう配慮して付けたファイル名だったが、自分達にも判らなくなったのである。一日に1万ファイルもの書類を乱発するお役所でもパソコンによる情報管理をしているが、そこでも検索するファイル名からは内容が判らないものになっていたらしい。

役所は自衛のため、個人のメモに至るまで記録を残すものである。簡単には廃棄しない。今後、官邸の答弁で廃棄したと言ったら、全て嘘と断じて良い。ただ、その文書がどこにあるかの管理技術が稚拙なのである。どんな沢山の書類の山からでも目指す書類を見付け出す技術を養うべきである。

ペーパーレス運動は掛け声だけ~毎日1万ファイルの書類を“産出”するお役所からすれば、どこの世界の話?である。





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