C56型蒸気機関車引退


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JR北陸線の観光列車、「SL北びわこ号」を引張っているC56型蒸気機関車が昨日の運行を最後に引退した。最後のお勤めを果たして、多くのファンに見守られながら終着駅で休んでいる報道写真を見て、一気に50~60年前の世界に引き込まれた。

会社や学校の山岳部、ワンダーフォーゲル部に入ってからは、毎年夏には京都から信州の山に登るのが恒例となっていた。交通手段はいつも満員の夜行列車で、京都からは乗車出来ないため一旦大阪へ行って大阪発長野行きに乗るか、名古屋まで行って名古屋発の中央線を利用していた。大阪駅か名古屋駅の地下の連絡通路に長い列を作って座り込んで乗車開始を待つのが通例だった。何年か続けた年中行事だったが、座席に座ったことは一度もなく、通路かデッキに大きなキスリングに挿まれて、立って一夜を明かした。列車はどの場合も蒸気機関車が牽引していた。暑い季節のため車窓は全開されていたので、汽車がトンネルに入る度に煙が車内に入り込むのを防ぐため、窓際に座っている人はトンネルに入る前の汽笛が鳴る度に窓を閉める役目を負っていて、座っていても一睡も出来なかったと言う。

夜が明け始める頃に松本駅に下車すると、先頭の機関車が朝露にシットリと濡れた車体から白い蒸気を吐き出して止まっている姿が、今日見たC56号の終着姿と被って見える。松本駅で休んでいる機関車を見て、よくも夜を徹して険しい木曾谷を経てここまで運んでくれたと感謝の気が起こったものである。

その機関車はシロクニと呼ばれたC62型と思っていたが、昨日北陸線で最後のお勤めをした「北びわこ号」の姿を見て、ひょっとすればシーコロ(C56)だったかも知れないという気がした。それ程、仕事をやり終えた姿が良く似ていたからである。

今回引退したC56は昭和14年製で、人間で言えば79才。私と同年代で、奇しくも一昨日のこのブログページで取上げた「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」を実践した形となった。

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