アウンサンスーチーへの賞剥奪

ミャンマーの事実上の最高指導者、アウンサンスーチー国家顧問兼外相に国際人権団体アムネスティー・インターナショナルが授与していた人権賞を撤回すると発表された。同氏にはカナダ名誉市民賞など授与されていた数々の賞を剥奪する動きが出ている。理由は、ミャンマーの抱えるロヒンギャに対する政府の迫害など人権問題に無関心な姿勢が失望を買ったものとされている。

確かに、ミャンマーのロヒンギャ難民に対する迫害は、国際的な関心と同情の高まりがある。これに対して、人権問題に立ち向かう姿勢と運動を指導して来たスーチー氏が、ことロヒンギャ問題に関しては全く無言を貫いていることに国際社会の期待に反していることに起因していると思われる。

元々ロヒンギャ民族(この表現は正しくないらしいが、英文表記ではRohingya people とされている)はミャンマー(旧ビルマ)独自の内部問題ではない。英国の旧植民地政策でインドのベンガル地域に居住していたイスラム教を信奉するロヒンギャ民族をビルマに移住させ敬虔な仏教徒であるビルマと対立させたのが原因とされている。にも関わらず、現在のロヒンギャ問題に対する英国の責任は全く言及されていない。

一方、スーチー氏がノーベル賞を含む数々の人権に関わる賞を受けたのは、国民を抑圧していた軍事政権を非暴力の民主政権への転換を指導した功績によるもので、その時期にはロヒンギャ問題は現在程顕在化していなかった。同氏の受賞は、ロヒンギャ問題解決の期待感は全くなく、後付の問題なのである。

スーチー氏は敬虔な仏教徒と言われる。本来ならイスラム教徒のロヒンギャ族に強硬に対決する立場にある。にも関わらず、無関心の姿勢を貫いているのはむしろ自制心が働いていると見るべきだろう。英国の旧植民地政策で培われたミャンマー民族とロヒンギャ族の対立をスーチーを代表とする現ミャンマー政権が尻拭いをさせられている問題と見ることも出来る。




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