国際機関脱退は内閣専横決議


日本が国際機関の一つである国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退が決定した。外交を重要視する日本が各国の非難を受けながら国際機構から離脱するのは満州事変後の国際連盟脱退以来である。脱退決定は閣議によるもので、国民への打診は元より、国民の代表である国会の決議でもない。他の関係各国と調整の結果の決定とあるが、国内の調整はなかった。

国際連盟脱退も同じく国民への事前はおろか事後の説明もないまま実行され、結果的には太平洋戦争勃発へつながった。国際協調への道を自ら捨てたのである。今回も、こと鯨の資源保護の国際条約を無視して、捕鯨分野では孤立の行動を行うことを世界に宣言したのである。

一方日本は、マグロやサンマ、ウナギの資源保護、捕獲制限を提唱しているが、今回のIWC脱退で国際的な説得力を失った。国内の需要が限りなくゼロに近い鯨肉の確保のために、需要のはるかに多いマグロ・サンマ・ウナギを犠牲にする策を選んだのである。

国民の食生活に直結する問題を決定した理由は何か、閣議の討議経過はどんなものだったかは公表されない。閣議の議事録がとられた話は聞かない。どんな重要問題でも、閣議は5分内外で結論だけ確認される。それまでの経過は各大臣に事務方がブリーフィングするだけで、閣僚同士の議論の応酬はないと聞いている。縦型社会の極致で、閣議の決定事項が結果的に失敗に終わっても責任をとるものがないシステムである。何百万の国民・兵士を犠牲にして日本を敗戦に導いた責任者として処刑された人達は、連合国の一方的な東京裁判の結果であり、国民としては検証していないとする日本社会の仕組みである。

我々の世代は、戦後の食糧難時代の学校給食で鯨の味噌汁で栄養補給したものである。鯨と言っても鯨肉ではない。鯨の皮と皮に付着している白い脂肪分だった。その強烈な臭いは、食べる物がない時代の育ちざかりの少年達にも敬遠され、以後鯨肉忌避の原因となった。従って、鯨肉と聞けば無意識の抵抗がある。




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