JRの車内販売廃止?

「缶ビールにコーヒー、弁当は如何ですか」、車内販売の女性が商品を満載したワゴンを押して一礼してドアから車内に入って来ると、プラットホームのキオスクでビールを買い損ねた時など待ち兼ねた気持ちになって歓迎したくなる。そんなビジネス特急の風情がなくなるらしい。JR各社が続々と車内販売の廃止を発表した。

私が現役時代、多い時には一週間に三回京都・東京を日帰り出張した頃には、新幹線の中程に食堂車とビュッフェの車両が繋がれていた。食堂車は列車により帝国ホテルと都ホテル、日本食堂が入り込んでいた。東海道新幹線の場合は、海側に二人席、山側に四人席があり、空席があれば自由に座席を選択出来た。

駅ビル食堂の民営圧迫を避けるためか、新幹線の食堂車は概して高価だったが、私は社用出張とは言え列車の旅情を楽しむため良く利用した。自由席すら取れない混雑の時は、特に食堂車に駆け込むことが多かった。

ある時、海側の二人席が空いていたのでカレーを食べていると、向かいに「空いていますか」と声をかけて若く垢抜けした美人が座を占めた。ナント多岐川裕美だった。芸能界音痴の私でも、毎号の文藝春秋の見開きに出ている日本酒の広告モデルだったので良く知っている。言葉を交わさなかったが、浜名湖辺りから小田原まで差し向かいで食事した経験がある。こんなこともあり新幹線から食堂車が無くなった時は特に寂しく思った。

鉄道ファンである私は、食堂車には特に旅情を感じる。社用出張でロッテルダムからブラッセル、ブラッセルからパリへ移動した時は、ラウンドで航空券を持っていたにも関わらず、自費で列車を利用し食堂車を楽しんだ。

そんな旅情が日本からすっかり影を潜めた。来日する外国人も寂しいと漏らした何人の人にも接したことがある。

車内販売は食堂車の旅情には遠く及ばないが、食堂車が無くなった後は何とか旅心を感じさせる存在だった。そのために努力した車内販売員もいたことが(こちら)の記事にも出ている。

列車から車内販売がなくなり、益々殺伐とした社会になって来た。


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