WTO裁定に動揺の判り難さ



世界貿易機構(WTO)を舞台にした日本と韓国の水産物輸入制限を巡る争いは、日本の予期に反した敗訴で外務省と水産庁が大慌てして今後の対策を講じている。WTOの裁定は、福島第一原発事故後の今後の潜在的リスクを懸念したものとされている。

ここで判り難いのは、被災地復興のための東北沖水産物の輸出に水を差す点に報道が集中しているが、韓国の輸入制限は日本近海全般の海産物を対象にしていることである。影響は被災地近辺の水産業だけに限らない。そのクセ韓国は日本の領海に入り込んで密漁している言動不一致の行動もある。こんな事実を日本は国際社会に発信すべきである。

日本の直接の影響は海産物輸出であり、それも韓国だけでなく欧米中露など大消費国の殆どが日本からの輸入制限を継続している。輸出先を失った東北地方の水産業は、折角捕獲したホキを海に廃棄する動きも報道されている。

一方、日本は食糧自給率が世界でも異常に低く38%、海外からの輸入が62%で賄っていることは良く知られている。但し、この数字はカロリーベースでの数値で、生産額ベースでは65%でいずれも農産物を含んでいる。水産物の自給率は55%に過ぎず、肉よりも魚が主体の和食でも約半数近くが輸入に頼っている。WTOの裁定により輸出先を失ったと言っても、供給先を国内に振り替えて自給率を高めれば良い話で、騒ぎ立てる必要はない筈である。それとも韓国やWTOが懸念するように、放射能汚染の可能性を認識していて内需を避け海外に売り捌く魂胆があるのだろうか。

日本の水産物の輸入制限を継続していると伝えられる海外各国でも、魚主体の和食ブームが世界に広まっているという現象がある。この時でも、日本原産の魚介類が求められている。国家の政策と実生活での需要が相反している実態がある。

国際社会に対して政府間レベルによる日本の立場を発信する努力は今後とも必要であるが、日本食、日本の水産加工物に対する需要は根強いので、闇雲に騒ぎ立てて国民の不安を煽る程の問題ではないと考える。



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