今日読み終わった本―「トランプ ロシアゲートの虚実」



今日読み終わった本:

『トランプ ロシアゲートの虚実』 小川聡・東秀敏 文春新書 
2018年8月出版


米国大統領選挙にロシアがクリントンを攻撃して、米国政界には無名のトランプを勝たせようと工作したとの疑惑があった。ロシアのその意図は何か、ロシアにどんな利得があるのか、日頃バッサリ即断実行するトランプがこの件に限ってはどことなく歯切れの悪い様子があるのはなぜか、非常に判り難い問題であった。それを判り易く解説したのが本書である。

筆者の小川聡氏は読売新聞アメリカ総局長で政治部外交・安全保障デスクを歴任している。共著の東秀敏氏は米国安全保障企画研究員で現在はワシントンとモスクワで米露関係を研究している。二人共、現地駐在の立場で得た情報からまとめた評論なので生々しい現実感がある。

トランプがロシアとの関わりがあったのは政治問題ではなく、不動産王として民間の経済界の立場から、モスクワにトランプ・タワー建設の計画など、ロシアへの投資に熱心だったことが起因している。ロシアとしても彼の莫大な資金による投資を歓迎していて両者の思惑が一致していた。政治問題とは全く別の次元での接触があったのである。

トランプはその計画推進のため足繁くロシアを訪問、ロシアの裏社会のフィクサーなどとの接触やロシアの富豪による資産流出の多くがニューヨークに流れ、現在のトランプ・タワーもそのロシアマネーによる建設との疑惑もある。加えて、英国対外情報部(MI6)の元職員によるトランプ・ファイルが登場し、トランプとロシアの不透明なビジネス関係の延長上に勃発した、いわゆるロシアゲートに発展した。そこでFBIも動き出した訳である。トランプが大統領就任後、FBIの長官をクビにしたのも益々疑惑を深める材料となった。

選挙のためにロシアが動いたという疑惑はどこかに跳んで、話は益々幅広く複雑怪奇な展開を示していて現在も進行中の未解決の問題であるが、本書は丁寧に要領良く解説してくれている。他にトランプとメディアとの対立、支持率が低下している中でも強い支持層の実態などにも触れている。

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