高齢者運転事故批判は公平に



東京池袋で87才男性が運転する車が暴走し、歩行者や自転車を次々にはねてゴミ収集車に衝突。3才の女児と31才の母親が死亡し、8人が重軽傷を負う死傷事故が発生した。新聞やテレビは「増え続ける高齢者運転事故」と大々的に取り上げ、対策の必要性を提言している。米国で銃乱射事件が発生する度に、必ず銃規制強化が叫ばれるのに似ている。

私は先週に運転免許証の更新を受けたばかりだが、今年で81才。新しい免許証を交付されると警戒の目で見られる年齢である。高齢者運転事故が報じられる度に、慎重安全運転を改めて自分に言い聞かせ、毎日ハンドルを握るたびに気を引き締めている。

モミジマークを付けて運転していると世間の冷たい目を浴びるのは、あたかも路上でタバコを吸う愛煙家に似た気持ちである。その警戒の目で見られる年齢の渦中にいるから言う訳ではないが、高齢者運転事故の報道姿勢は偏向していて一方的に過ぎるのが不満である。

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高齢者運転による死亡事故件数は2006年の400件から10年後の2016年には460件と、確かに増加しているのは上記グラフで明らかである。全体の事故件数に占める75才以上の高齢者ドライバーの割合は8%から15%に急増している。ただ多くの報道は、この高齢者による事故件数のみを取り上げていて、高齢者以外のドライバーによる事故件数が2,500件以上、85%もあることは全く触れていない。

一方、高齢者による事故の都道府県別データも報道すべきである。例えば、私の自宅から最も近いスーパーは1.5km。年寄でも歩けない距離ではないが、大根やキャベツなど重い野菜を含む食料品を運ぶには重労働である。一日5往復しかないコミュニティバスでは用は足せない。町の診療所に行くのも同様である。マイカーがどうしても必要な地方での高齢者ドライバーによる事故件数はどれ位か、バスや地下鉄の便がある人口密度の高い都市部での事故件数の方が多いのではないか。かかるデータが示されて初めて対策が講じられるものである。

高齢者が起こす事故のみを大々的に報じるのは高齢者ドライバーに対する魔女狩りである。免許証返上運動だけが抜本的な対策にはならない。




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