今日読み終わった本―『安倍晋三「保守の正体」』



今日読み終わった本:

『安倍晋三「保守の正体」』  菊池正史 文春新書 2017年1月

本の題名と副題の“岸信介のDNAとは何か”から内容は凡そ見当が付くが、その見当は見事に外れている。まるで質問に対し回答をはぐらかす安倍首相の論法に似ているが、それは書名や副題が読者をミスリードしているだけで、内容は非常に参考になるものであった。

題名から類推する「今の安倍首相の右寄りの姿勢の源泉は何か。祖父岸信介のDNAがどのように受け継がれているのか」については、“あとがき”を含め全254ページの最後の26ページに触れられているに過ぎず、その中の7ページの“あとがき”に一部要約されているだけである。

本書の流れは、戦後の保守党といわれる自由党、日本民主党及び両者の保守合同後の自民党の変遷及びその中で岸信介の極右政策がどのように受け継がれ、また反発されて来たかの歴史を時系列で紹介したものである。従って書物のタイトルは『自民党“保守の正体”』とするのが判り易く、また正しい。吉田茂、岸信介、田中角栄、中曽根康弘について述べられている量に比べ、安倍晋三は格段に少ないからである。

歴代自民党の流れの中にはハト派もあればタカ派もある。党内野党という言葉もあるように、決して一枚岩ではない。今、安倍内閣が長期政権としての座を占め続けているのは、政策や考えの異なる議員で形成されていながら自民党の名の下に集まる数の力によるものと、野党が弱いからに過ぎない。考えの異なる野党が連合して一つの党を形成しても、今の自民党と同じ集合体と一緒なのでメンツを捨てて大同団結すれば二大政党による日本の政治に変わるというものである。

では「保守」とは何か。著者は“あとがき”の中で、「“保守”と“革新”が相互に抹殺することなく急激な変化を避け、妥協を許し、共存の道を模索する。保守主義とはイデオロギーではなく生きる姿勢ではないか」と総括している。



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