今日読み終わった本-「チャーチルと第二次世界大戦」


今日読み終わった本:

『チャーチルと第二次世界大戦』 山上正太郎 清水書院 2018年7月

本書の奥付に「2018年7月30日初版第1刷発行」とある。まだ新版で、この時期に今更何故?と思って興味半分に図書館から借り出した。他に、今迄からチャーチルのノーベル文学賞受賞の遠因となった大著「第二次世界大戦」を読みたいと思っていながら果たしていなかったのを、手っ取り早く眺めてみたい意味もあった。

ただ読み終わって表紙裏の注記を良くみると“1984年に刊行したものの復刊”とあったので新しく執筆されたものではない。改めて復刊された理由は不明である。

チャーチルは戦争好きの人物で、陸軍士官学校で軽騎兵連隊に所属し、キューバやインド、スーダンなどに従軍した経験を持つ。キューバへは英国軍としてではなく、士官学校在学中にキューバ独立戦争中のスペイン政府の許可を得て観戦に行ったとある。チャーチルのトレードマークである葉巻の習慣は、この時に得たもので一生の永続的なものになった。

好戦家とは平和を望む人々には相容れられない側面がある。しかし、彼の時代にはファシズムの台頭、ドイツのヨーロッパ侵略があり、これらと戦う素地があった。「もし第二次世界大戦が起こらなかったならば、ウィンストン・チャーチルの名は歴史に現れなかった、取り扱われたとしても英国史の片隅に留まったかも知れない。まさに時が人を得、人が時を得た」と称されている。

本書は第二次世界大戦の戦史ではない。その舞台の中のチャーチルの姿を描いている。従って、大戦の舞台で夫々の主役を演じた政治家、将校達の扱いは極めて抑えられている。ヒットラーでさえ出番が少ない。ナチスや英国議会、欧州首脳との絶妙な外交姿勢が見事に描かれている。

一方で小説や数多くの手記などでノーベル文学賞を得た程の文筆家であり、戦時中も絵筆を放さなかった画家であり、“鉄のカーテン”という言葉や人差し指と中指を立てる“Vサイン”の創出など幅広い活動家であった。

「英国人は事態が如何に悪いかを報告されることを好み、最悪の事態を聞かされることを好む唯一の国民だ」と軍事機密以外は国民に隠すことをしなかった宰相の姿は、今の日本の施政と照らせてみると別世界の人物像を思わせる。





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