境界線を越える

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米国トランプ大統領が、歴代大統領として初めて朝鮮半島の軍事境界線を越えて北側の北朝鮮区域に入った。高さ5cm、幅50cmのコンクリートの帯が北朝鮮と韓国を厳密に隔てる境界線で、これを踏み越えて北朝鮮側に入るトランプ大統領と金正恩委員長の姿を映した光景が全世界に配信された。

この低く狭いコンクリートの帯が軍事境界線で北朝鮮と韓国と厳密に分断している。物理的には簡単に超えられる一筋の帯が、越えるに越えられない障壁として両国民の前に立ちはだかっている。この境界線の両側2kmの巾が非武装地帯として両国及び国際的に認められているが、現実には武装した北朝鮮兵士と国連軍兵士が両側で警備している。

従って、この非武装地帯には一般の人は入れない。軍事境界線を広域な非武装地帯を守っている。その境界線を越えるとは並々ならない難事なのである。

世界の各国は国境で区切られている。地続きの大陸では国境越えは生活の一部として習慣付けられているが、陸地に国境のない我々日本人が外国へ行って国境を越える場合は格別の不安と緊張を感じる。私は国境越えを数多く経験しているが、国境に一カ所の検問所で両国の出入国管理を行っているところは知らない。多くは出国側と入国側に別々の検問所があり一定の間隔で向かい合っている。この間隔が長いのがペルーとチリの国境で、出国と入国の間に両国が運営する国境タクシーで45分間砂漠の中を疾走するところもある。こんな地帯で密入出国は物理的に無理である。

国境線の長い所では、国境をまたぐ主要通りは限定されていて検問所があるが、中には箱根の関を回避する裏道のように監視が行き届かない道路がある。これが今トランプ大統領が熱をいれているメキシコ国境での入国防止柵である。中米からの難民が押しかけているが毎日強制退去させられたり、柵越えに失敗して子供を含む死者を出していることで国際問題になっている。陸地の国境を持たない日本人には想像も付かないのが国境での悲劇である。

昔は日本国内にも国境(くにざかい)にある関所で似たような事態があったことは、中山道の福島関、贄川関跡の資料館で聞いたことがある。人間が作った境界線には人間の生命を左右する力学が働いているのである。「二つの世界」だったベルリンの壁の話が一番判り易い。





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この記事へのコメント

比良の天狗
2019年07月02日 12:22
初めまして。

〝バーチャル中山道〟で検索していましたら、偶然に
『バーチャル中山道 踏破』2017年12月記事にヒットし
読ませていただきました。

市の実施する〝みんなで健康200日チャレンジ!〟は、今回
初めて知り、参加した次第です。
「今回も梓川河童さんは参加してはるのかな?」と記録表を
見ましたら、同じく参加されてはるんですね。

何とか今10番台をキープしてますが、順位にこだわると
けっこうシンドイですね。(本末転倒感がありますが・・・)

ブログ記事とまったく関係ないコメントで失礼しました。
また訪問させていただきます。



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