どこも勝った気がしない選挙



当選した個々の候補は別として、党本部からマクロ的に見た今回の参院選挙結果は、どこともに勝った気がしない選挙だったに違いない。半チャンを終わって点棒を数えたら、浮いているのは確かだが、勝った高揚感のない麻雀のようなものであろう。

投票率は戦後2番目の低調で48.8%、有権者の半数以上が棄権したことになる。それでも、期日前投票者は全国で1706万人で前回国政選挙より108万人増。全有権者の16%に当たるから、実際に投票日に投票所に足を運んだ人は記録的な少なさに違いない。今回は43道府県で858ヶ所もの投票所が人口減や投票所設置・運営の人手不足などで消滅し、投票締切時刻繰り上げが35%もあったというから、これが投票率にどう影響したか。今回は低投票率だっただけで終わらずに、その原因究明と投票率アップの方策を検討・実施する必要がある。過去には概して投票率改善の取組みが弱かったきらいがある。

安倍首相は選挙前に、公明党が13を確保してくれれば自民党は40で与党単独で過半数をとれると勝敗ラインを設定していた。一方、二階幹事長、萩生田副幹事長、公明党は自民が50を取ると首相の求心力が保てるとして、首相と10議席多い数字を設定していた。これは今回の選挙に対し首相は弱腰だった証左である。

現役時代、自己管理目標設定のため、我々営業マンは会計年度毎に売上目標を自分で申告して幹部に提出する必要があった。目標を低目に設定して易々と達成した部員はドヤ顔をして結果を報告すると叱られ、高目に設定して未到達だった部員の方が人事考課は高かった。当たり前の話である。部下を育てるには高目のノルマを与え、達成に邁進させるのは上司としては常道だった。この意味で、今回の安倍首相の勝敗ライン設定は落第である。

そんな弱気な姿勢のためか、選挙期間中は一言も改憲論議には触れずに逃げた癖に、選挙が終わると「選挙の結果は“改憲論議すべき”という国民の審判だ」とのうのうとコメントする。この姿勢が自民党の選挙前の議席を10も減らしたのである。



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