銃販売大手の店舗で銃乱射事件



毎日1件は銃乱射がある米国では、余程の大規模の事件でない限りニュースにならない程、日常茶飯事となって来た。流石に最近20人の死者を出したテキサス州エルパソの“国内テロ”と位置付けられた事件、その24時間以内にオハイオ州デイトンで10人の犠牲者を出す大事件が立て続けに起こると大騒ぎになる。

これら2件の連続銃乱射事件は日本でも大きく報じられたが、実はこの間に他にシカゴで2件、テキサス州メンフィスで1件発生し3人の犠牲者を出している。8月に入ってまだ1週間も経っていない内に、既に銃乱射事件は16件となり死者34人となった。今年に入って254件、犠牲者は268人、1日1件以上の銃乱射事件が発生し、毎日1.2人が死亡している。

こうなると、メディアの報道も追いつかず、夫々の事件もどんな内容だったか覚えきれない上、夫々を検証する時間もなくなりこの種の事件は後を絶たない。現地では“El Paso shooting”とか“Memphis shooting”などの呼称で区別している。

オバマ政権時代は、事件の都度大統領が銃規制強化を叫んだが、銃保持を推進するトランプ政権では声が上がらない。トランプ氏はエルパソ事件でも、「殺したのは精神に異常を来した人間の精で、銃ではない」とまるで全米ライフル協会と同じ発言をしている。

今回のエルパソ事件は、商業施設のウォルマートで起こった。この4日前には同じウォルマートのミシシッピ店内でも2人の死者を出している。このウォルマートとは実は米国を代表する銃販売店大手で、創業者は熱烈な銃愛好家だったことで知られている。皮肉なことに、自分達が販売した銃で店の中の客を大量に殺戮されたことになる。

ワシントンポストは“最近の銃乱射事件現場のウォルマートの複雑な銃販売歴”の記事によると、米国で大掛かりな銃乱射事件が起こる度に店内の陳列棚を縮小し、需要によりまた商品を増やすなど、まるで日本のどこかの洋品店のように“閉店セール”に続いて“開店セール”を繰り返したり、販売対象者を18才から20才に引き上げるなどの措置をとってきた。

ただ、銃販売は店の主力のためか、今回のエルパソ店の大量犠牲者にも関わらず、銃の継続販売を発表した。人の命よりも経営優先の方針を貫くのである。このような社会だから、刀狩りはおろか、銃保持規制強化は進む筈がない。犠牲者は鰻登りに増えるだけである。


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