今日読み終わった本―「ニューヨークタイムズ物語」



今日読み終わった本:


『ニューヨークタイムズ物語』 三輪 範 中公新書 1999年11月


「世界で最も影響力ある新聞」との評価がある米国のニューヨークタイムズ紙の成り立ちからの変遷、その間に培われた報道力を“報道のバランスと多様性”及び“国際報道の充実”の面から分析し、同紙の経営者がユダヤ人であるところから、反ユダヤ旋風の吹き荒れた米国でどのようにユダヤ性を薄めて同社の報道精神である中立性を堅持して来たかを記述する“ユダヤ性との格闘”の三本柱から構成されている。


NYタイムズ紙には“Op-Ed”欄というのがある。“Opposite the Edition”の略で、社説の反対側にある意見の意味で、自社の主張と反対の立場を紹介するコラムである。同紙の中立性と多様な意見を差別なく報道する代表的な編集姿勢を示すもので、今ではワシントンポストなど他の有力紙にも採用されている。何かと色分けされている日本の新聞との違いが鮮明である。


私もこのブログページで何回か記述したが、日本の主要紙は報道量が少ない。国際・経済・国内など夫々のジャンルで1ページだけに凝縮されているだけだが、NYタイムズは国際報道だけで毎日10ページ前後の紙面が割り当てられている。結果として、日本紙では起こった事態の現状と将来予測だけの記述となり、何故その事態が起こったかの過去の分析はない。報道の対象となる事件も厳選されざるを得ない。


本書では各所にNYタイムズと日本の主要紙との違いが、豊富の例と共に指摘され、我々読者だけでなくメディア各社向けの記述が数多く含まれている。


私もNYタイムズを読み始めて相当年数になる。今では毎日送られてくる電子版に目を通している。本書の中に、同紙の経営者の言葉として「NYタイムズの目的とは、全てのニュースを分かりやすい言葉で簡潔かつ魅力的に、出来る限り迅速に伝えることである」との言葉を紹介しているが、同紙の文章は極めて難しい。私の学生時代に「NYタイムズの英語」という本があった程、何故難しい言葉ばかりを選び出して来るのかと呆れたものである。


それでも辛抱して読んでいる。本書の著者は「今は日本でも無料で電子版が読める。それまでは月額35ドル必要だった」とあり、私が同紙の電子版を登録した時は無料だった。その後、同社の経営危機で今では毎週のように「購読料1週1ドル!」の勧誘メールが入ってタダでは読めなくなっている。しかし、年間54ドルは安いとしても銀行の海外送金手数料が高いのでバカバカしく、毎日膨大な量の見出しとリードだけタダで読んでいる。






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