覚醒剤を絵画に練り込み密輸



名古屋中部空港で、絵画の中に覚醒剤を練り込んで密輸入しようとして税関に見つかり容疑者が逮捕された。持ち込み方法を考える容疑者も容疑者だが、それを見付ける担当官の目も職業とは言え見事なものである。麻薬の密輸方法は益々巧妙を極め、税関や麻薬取締官との知恵の出し合いになっている。


勤めていた会社に数年サイクルで税関からOBを受け入れていた。輸出入管理について助言を受けたり、税関や通産局への口利きを期待するもので、定年直前の課長クラスが出向として派遣されていた。貿易取引に従事していた私としては何かと情報を貰っていたが面白い話もいろいろ聞いている。


税関吏は職業柄、手荷物検査時に挙動不審な人物は独特の勘が働いて目に留まる。一方、人間は緊張すると尿意を催して来る。やましいものを持っていても無事税関検査をパスするとトイレに直行する。まだ関空が出来る前、くだんの税関課長は良く伊丹空港のトイレの物陰に張り込んでいた。トイレの中は人間が一番リラックスする空間である。うまく手荷物検査を通り抜けた人は用を足しながら横にいる同僚につい、「見つからなくて良かったナ」と緊張からの解放感で口にしがちらしい。その瞬間、「ご面倒ながら別室までご同行を」と物陰から出て行くことが良くあったと言う。


持ち込む手口は極めて巧妙で、スーツケース内部の布張りの後ろに隠すとか、入れ歯のウラに忍ばせる、女性の場合は装着している生理ナプキンの裏に隠すなどするらしい。セクハラ批判を避けるため女性税関吏が対応する。貨物船で密輸入する場合はコンテナーの柱の中に入れるなどは常套手段である。


ペルーに駐在していた時、テレビで良く摘発状態を放映していた。ペルーの人気土産品のアルパカ人形の腹を割いて麻薬袋を取り出す画像は良く見た。また検挙率の高いのは外交官の手荷物で、日本なら外交官特例でフリーパスのところ、ペルーでは一般旅客より検査が厳しいらしい。尤も外交官の密輸が多いのはペルーだけではなくいずこも同じだろう。


密輸業者と取締官とのせめぎ合いは一般人の考えている以上の高度な水準にある。






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