今日読み終わった本―「怪人二十面相」



今日読み終わった本:


『怪人二十面相』 江戸川乱歩 青空文庫 201634日作成


市立図書館が緊急事態宣言で臨時閉館のため、次に読みたい本が借りられない。そのため、前回パソコンで読める青空文庫で試みに読んだ森鴎外の「山椒大夫」が予想以上に読みやすかったことに味をしめ、次に選んだのが本書である。市立図書館に借りに行っても、本書は一般閲覧棚にはない。よい年寄りが児童・少年コーナーをうろつく訳には行かない。そんな時には青空文庫は手軽である。


初めて読んだのは小学5年の時だった。同級生でこの本及び江戸川乱歩の「妖怪博士」を持っているヤツがいて、終戦直後の新刊書入手難の時でもあり、乱歩ファンの友人達に回覧してくれていた。丁度その時期には、乱歩の「青銅の魔人」が雑誌「少年」に連載が始まり、それまで少年雑誌「譚海」を読んでいた私はそのために「少年」に鞍替えした時でもある。


「怪人二十面相」は私が生まれる前の年に発刊された当時としても既に古典であった。しかし我々世代には当時は古典とは思わせない新鮮味があった。女子生徒は一般に関心がなかったようだが、男子生徒の間では熱狂的に迎えられた。


既に70年前に読んでそれきり手にすることのなかった本である。しかも文学作品のような教養をはぐくみ、人生の指針になるような書物でもない。当時読み終わってそのまま忘れてしまった内容と思ったが、改めて読み進めていると随所に記憶を蘇えさせる部分が出て来た。例えば、池の中に飛び込んで逃げた犯人が、竹筒を加えて水中に潜んでいる。少年探偵がそれに気付いて薄い紙を筒の上にかざすとヒラヒラしたなどの光景は70年間の記憶を見事に蘇らせた。


この種の作品は、一挙に読み終えることが出来て青空文庫には格好の作品である。加えて先の「山椒大夫」と同様、自分を夢多い少年時代に引き戻してくれる。今回読んだ「怪人二十面相」も捨てたものではない名作だったのである。




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