外国語で<Coronavirus>は男性形か女性形か



日本人が外国語会話を習得したいと取り組む場合或いは教える場合は、常に文法第一と外国人に良く言われる。結果として、日本人は文法には強いが、話し言葉はモノにならないと冷やかされているのである。


例えば、毎年4月から始まるNHK外国語講座のテキストを書店で立読みして見ると良い。どの外国語講座も第1課から、主語・動詞など文法用語が出ている。数学や歴史など学校で学ぶ教科では友人に勝てないので、せめて外国語でリードしてやろうと勢い込んで取り組んだ生徒にとっては第1課から強烈なボディブローとなる。


日本での外国語教育は、こんな具合に延々と文法本位の学習が続く。では自分達が日常話している日本語文法に詳しいかと言うと、殆どの人は知識がない。「サ行変格活用」とは何か答えられる人は少ない。外国籍の関取やタレントで日本語の達者な人は多い。この人達に「サ行変格活用」とは何かと問うとキョトンとすると思う。しかし、日本人の外国語取得のための教科にはこんな文法の課程を強要されているのである。


私が知る限りの外国人で自国語文法に知識のある人は少ないが、英語以外のラテン系言語やゲルマン言語にある名詞の男性形・女性形(ドイツ語には中性形もある)には特別な注意を払っている。私がペルーにいる時、ある小学生くらいの女児と話していた時、彼女が“Soy extranjera(私は外国人)”と言うのに答え、こちらも“Soy extranjera tambien(こちらも外国人だよ)”と言うとケタケタ笑われた。“extranjera”は女性の意味で、男の私は“extranjero”と言うべきだったのである。小学生でも男性形と女性形の使い分けは徹底している。


CNNニュースに「Covid-19はフランス語では男性形か女性形か」という記事が出た(こちら英文)。フランス語では米国の情報局CIAは“la CIA”で女性形、FBIは“le FBI”で男性形とされている。すったもんだの議論の末、標準フランス語を統括する「アカデミー・フランセーズ」が乗り出して来て、最終的に“CoronavirusCovid-19”は“la Covid-19”と女性形で表示することが決まったと報じている。男性形・女性形の違った表現を持たない英語を母国語とするCNNの嘲笑が伺える記事である。


念の為、スペイン語ではどう表現しているか、時々読んでいるペルーの“El Comercio”紙の記事には“el coronavirus”と男性形で、フランス語とは逆だった。ペルーにいた時、コンピュータ用語のような外来語は男性形とするのが一般であるとの原則に従ったものらしい。


日本語には、こんなつまらない差別表現の必要がない利点があるものである。





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