60年前には香港に野生の虎がいた


香港の虎.jpg

香港と言えば、世界のどの都市よりも高層建築で埋め尽くされた近代的な都市との印象があるが、1900年の初頭にはやっと人口28万人の田園風景豊かな農村だった。20世紀に入って急速に都市化され、中国本土から大量の住民が流入した。当時、1905年には中国南部に2万頭の野生の虎が棲息していたと言われる。


虎は中国の漢方薬の中でも伝統的に強力で貴重な存在である。虎のペニスのスープは男性の精力増強として古くから珍重され、虎の骨入りの酒はリュウマチや疲労倦怠、身体の麻痺を癒す効果があると信じられて来た。虎の頬髭は歯痛に、眼球は癲癇の治療に使用された。従って乱獲が続き、1950(昭和25)年には4千頭まで激減した。


毛沢東の共産社会の拡大と共に、中国の食糧事情、農業生産の逼迫により中国南部の野生の虎が国境を越えて香港でその姿を目撃される機会が増大した。目撃情報は英国の植民地警察に寄せられたが、「大袈裟な話が好きな中国人の性癖」として無視した。だが、調査に出向いた二人組の内、一人が虎に襲われて死亡、一人が重傷で入院後に死亡したので、当局は目撃を信じるようになったと言う。


その後、目撃情報が次第に減少し、1965年に香港で一番高い山の頂上で女子学生が目撃したのが最後だった。中国本土南部でも乱獲の結果棲息数が激減し、毛沢東死後の中央政府が慌てて密猟禁止の政策を発表したが、時既に遅く、今では絶滅したと見られている。


出典:CNNニュース英文(こちら)より抜粋。


香港で最後に目撃されたのが1965年と言うから、今から55年前の昭和40年である。その時の私は既に30才前、会社で海外営業の仕事をしており、香港の代理店とは頻繁に通信していた。電子メールなどない時代だから、赤と青の縁取りのある航空便の封筒による文書の交換をしていた。そんな時代に、香港にまだ野生の虎が出没していたとは驚きである。


CNNがこの時期に何故こんな記事を出すのか。勘ぐれば、野生の虎がいた時代以降、香港を現代の姿に発展させたのは香港人及び英国人である。その出来上がった舞台に中国政府が乗り込んで来て支配しようとし、民主化運動・平和運動を弾圧することの理不尽さを世界に訴えたいのかも知れない。




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