初の女性プロ・チューバ奏者の死



数日前のNYタイムズ電子版の訃報欄を眺めていると、普通は2~3人の名が並んでいるところを7人の名が見える。知らない名ばかりだが、チェコのナチス強制収容所を脱走して後年アパレル製造で名を挙げた92才の男性、盲目だが25年間老人介護施設で世話をした65才の知的な女性、南アフリカでアパルトヘイト時代以降の法律改正案策定に取り組んだ53才の男性などが並んでいる。


この7名に中で、最初から5番目までは記事の最後は「died of the novel colonavirus」の記述で結ばれている。5人とも新型コロナ感染死だったのである。ナチスに捕らわれ命からがら逃げ92才まで生き延びた人も、最後は思いもしなかったウィルスの犠牲になった。


音楽好きの私に特に目を引いた訃報欄の最後は「コンスタンス・ウェルドロン(88)、チューバ演奏の大家。1955年に彼女がボストン・ポップス管弦楽団に入団した時は、世界的に著名な一流管弦楽団で女性として初めてチューバを演奏した先駆者」とある。幸いにしてコロナ関連死ではなかった。


Constance-Janet-Weldon.jpg


チューバとは金管楽器の一番大きなサイズの楽器で、一寸やそっとの肺活量では音が出ない。ホルンやトロンボーンでも満足に音が出せない私にとってはお手上げである。その難物の楽器を抱えた女性が世界一流オーケストラの金管楽器セクションの席についた時の聴衆の驚きは想像に難くない。第一、持ち運びだけでも大変である。また何とも美人だから大きな反響と称賛が与えられたと思う。


いずれにせよ、男の専任部署に続く女性へ道を開いた。チューバは元々伴奏を受け持つ楽器で表舞台に出る曲は少ないが、ベルリオーズの幻想交響曲の第4楽章「断頭台への行進」ではソロでメロディを受け持つ聞かせ処もある。


楽器の技術の発展もあるのか、最近は中学生のブラスバンドは女子生徒で構成されるのが多い。聞けば男子はスポーツ系統のクラブを選ぶ傾向にありブラスバンドには来ないという。その女子中学生が非常に巧みに金管楽器を演奏し、中にはチューバどころか、チューバから発展したスーザフォンと言う管に巻かれて肩で担いで演奏する15kgの大きな楽器を演奏する女子生徒がいる。朝顔のような形の音の出口が大き過ぎて向かい風の中では行進出来ないのに演奏を続けている姿を見たことがある。凄いものである。






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