感銘を受けた清々しい敗者のコメント



テニスの全米女子オープンは、大坂なおみがビクトリア・アザレンカに逆転で勝利を収め、二度目の優勝杯をもたらした。激戦の模様と同時に、無観客の本大会で大坂なおみが示した米国での黒人差別に抗議するため、7名の黒人犠牲者の名前を表した特製のマスクを毎回取り換えて試合に臨んだことも大々的に報じられた。


勿論、報道は覇者の大坂なおみにスポットライトが当たっているが、その陰に隠れるような敗者アザレンカの見事な大人のコメントを報じた記事が印象に残った。


「ガッカリしていないし、またガッカリする必要もない。ただ敗けたことが悔しいだけ」とアッサリ総括し、「第2セットの初めから、ナオミはいいプレーをするようになった。とても攻撃的になって来た結果、彼女が勝った。名誉は全てナオミのもの。彼女がチャンピオンなのよ」と讃え、「素晴らしい2週間を過ごし、プレーを楽しんだ。今日は出来ることは全てやれた」と晴れやかに言ってコートを去った。


「報知新聞」9月13日電子版よりの引用だが、何とも爽やかなコメントでないか。敗者に焦点を当てた記事にも感銘した。


ビクトリア・アザレンカは大坂なおみより9才年長の31才、四大大会の全豪オープンで2度も優勝している実力者である。大坂なおみも「小さい頃からアザレンカの試合ぶりを見て来た」と言っている。4年前に長男を出産し、一昨日のABCニュースには「今回全米オープンで優勝すると、史上4人目のママさんチャンピオンが誕生する」と暗に応援する記事もあった。


今回は大坂なおみと6-1、3-6、3-6で逆転負けしている。実は準決勝ではセリーナ・ウィリアムスに奇しくも全く同じスコアの逆転で勝ち上がって来た。この経過が頭にあったのか、アザレンカの決勝戦後のコメントに、「第1セットで6-1で先取して、心理的に守りの姿勢に入ったためか、以降は大坂の攻めに後手後手に回った」と反省があった。


スタートが好調だと守りの姿勢に入る傾向はどんなスポーツでもあるようである。プロテニスとは世界が違うが、身近なグラウンドゴルフでも最初の8ホールを好スコアで消化すると勢いづいて後のコースも好調が持続すると期待するが、無意識に攻めの姿勢が失われ平凡なスコアで終始することが良くある。もって教訓としたい。