目立ちがり屋の逼塞



私の朝のウォーキング・ルート途上に日本コカコーラの守山工場がある。隣にダイハツ・ディーゼル工業があり、双方共広大な敷地を持っているが、両社を挟む道幅は約3m、中型乗用車がやっと通れる程度で殆ど寄り添っている。


コカコーラと言えば、列車の車窓や街中の自動販売機などどこからでも目に付く赤い商標がこれでもかと言う程派手に表示されている。要するに、ブランドを売り込むための派手な宣伝で目立つことに力を入れている。その目立ちがり屋が、この守山工場に限っては社名表示がどこにもない。唯一の表示は正面玄関の門柱に嵌め込まれた幅50cm、縦30cm足らずの申し訳程度の小さな表札で、それも白地のプレートに銀メッキされた社名表示なので遠目には見えない。

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隣の敷地内の芝生には「立入禁止、ダイハツ・ディーゼル総務課長」と小さな立札が立っているが、コーラの敷地には「立入禁止、総務課長」と社名を表示しない程の徹底ぶりである。ダイハツ・ディーゼルの大きなネオンは新幹線上り方面の車窓左側から直ぐ見られる。コーラの建物はその後ろ側にあるが、屋上に看板を取り付ければ簡単に見られる筈で、目立ちがり屋なら当然表示するところだか何もない。


コーラ工場裏の道を歩いていた時、地方ナンバーの大型トラックから「日本コカコーラの工場はどこか」と尋ねられたことがある。目の前の建物を指さして「これだ」と言ったが、運転手とすれば当然有名なコーラの赤い表示がどこかにあるものと思っていたに違いない。


では、何故目立ちがり屋のコーラがこの工場に限って表示しないか。実はこの工場は日本コカコーラの数ある飲料水の原液を製造する日本で唯一つの工場なのである。つまりコーラの秘密基地で、この工場にテロや火災が発生すると全日本に散らばるコカコーラ・ボトラーズが干上がってしまい、日本からコーラの飲料水が消滅してしまう重要な役目を負っている。


従ってここにコカコーラの秘密工場があることは知られてはマズイのである。ホーム・ページを見ても会社の沿革や組織など全て「会員限定」とあり、誰もが見ることは出来ない。


その癖、申請すれば工場見学も受け付ける顧客志向も持っている。