今日読み終わった本―「仏教抹殺」




今日読み終わった本:

『仏教抹殺』 鵜飼秀徳 文春新書 2018年12月


「今日読み終わった本」といつものタイトルだが、実は入院中に読んだ本である。入院が長引いたため、図書館の返却日をはるかに過ぎ、家族に返本を依頼せざるを得なかった。


本の内容はショッキングなものだった。明治維新に神仏分離令、それに伴う廃仏毀釈があったことは学校で学んで知っている。但しそれは言葉だけのことで、そのウラにはどんな史実があったかは学校の歴史も同時代の物語にも出て来なかった。完全に蓋をされていたのである。


タリバンが世界遺産のバーミヤンの摩崖仏を爆破して世界から非難されたと同様の寺院や仏像の破壊行動が日本でも行われていたのである。国宝級の仏像が破壊され焼却された数は現存する国宝の3倍以上に達するとの調査報告もある。また、寺院そのものも破壊され尽くし、鹿児島では寺院が全く消え失せ、破壊率100%で同県では暫く寺院が存在しない状態が続いたと言われる。


各地でどんな破壊行動が行われたか、筆者は全国に足を運び、佐渡や隠岐などの島も含めて丹念に調査しまとめたのが本書である。その内容には凄まじいものがある。元々明治政府が歴史の恥部として蓋をしてしまい、歴史的資料もなんら残さなかった中での調査だから、各地の当時の現状を知る古老の話や、破壊された残骸を探索するなど各地の凄まじい廃仏毀釈の実相を掘り下げて行く執念とエネルギーには驚嘆する。


華やかな明治維新の物語のウラに、日本が外部には知られたくない歴史があったことを見事に浮かび上がらせた良書であった。これらの隠された事実はもっともっと取り上げられて良い。

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