余程頭の良い人が考えたに違いないソフト



長期入院から退院して一週間、気が付けば12月が目前に迫っている。カミサンから督促を受けて今年はまだ年賀状の作製に手が付いていないことを知らされた。体調はそれどころではないが、時間との勝負で気が進まないまま作り始めた。


賀状の作製はいつもパソコンの標準に付いている「筆ぐるめ」を利用している。ただこのソフトは余程頭の良い技術者が考えたに違いない程複雑である。私もメーカーに勤めていたが営業部に所属していながら、技術部との接触は深かった。技術部も電気系、機械系、コンピュータ系に分かれている。技術部の中でも嘲笑気味に評判だったのは「頭の良いヤツ程、図面は複雑で装置が使い難い」という点だった。電気回路図でも簡素に出来る筈が、頭の良いヤツ程複雑な設計で製造部門の評判が悪かった。図面を一目見て、誰の作図か判ると言われていた。


「筆ぐるめ」がそれである。毎年一回しか使わないためか、なかなか習得出来ない。第一、目的とするもの、例えば住所録一覧表の印刷をしたい場合など、何回かの操作を繰り替えしてやっと「印刷」ボタンを押す画面に到達する。いつも、ネットで「筆ぐるめの使い方」を呼び出しておいて、都度そのガイドに従って操作する必要がある。よくも、こんな複雑な使い方を考えたものだと逆に感心する。


今回も病み上がりの身で苦労しながら、何とか形ばかりの賀状を作成した。例年と異なり、満足な出来ではない。如何にもヤッツケ仕事の印象がある。でも良い、年賀状というものは丹念に読み、鑑賞されるものではない。沢山の賀状を一挙に受け取った人は、差出人を確認して、「あぁ、今年もヤツからくれたか」で済まされるケースが多い。


と自分で納得して我慢することにした。