「ギッチョ」は差別用語か




入院中にリハビリのインストラクターから、「あなたの利き足は左ですか右ですか」と聞かれて左と答えても、聞く方も聞かれる方も別に侮蔑的な意味合いは何もない。しかし、利き腕が左となると何となく差別的な感じが生まれる。

聞かれなくても、字を書く時や食事をする時の動作で左利きの人は直ぐ判る。我々高齢者の世代では、幼い頃に左利きと判ると親から無理矢理に右利きに矯正されたと聞く。幸い私は生来の右利きだったのでその目には合わなかったが、幼馴染の友に手の左利きは矯正されたが、足の方は何も言われなかったと言う人がいた。


当時は左利きは行儀が悪い、醜いとされ、人によっては「片輪(かたわ)」と見られたようである(この「片輪」という表現も今は差別用語で、パソコンで漢字変換しても出て来ない)。我々子供の間では話し言葉に「ギッチョ」、又は「左ギッチョ」という言葉を普通に使っていて、この高齢のトシになっても同年代の間で平気で使っているが、現代社会では差別用語、使用禁止用語になっているらしい。


数日前の新聞の随筆欄に左利きの人が、「ギッチョに差別的意味?侮蔑的に扱われたことはない」と題した一文を寄せているのを興味深く読んだ。ご自身はそう言われても全く差別されている、バカにされているとは思ったことはないとのご意見である。現実に最近の米国大統領のバラク・オバマ、ビル・クリントン、ジョージ・ブッシュ父子、ジェラルド・フォード氏らは皆左利きで、最近の8人の中では多数派だと実例を挙げている。


テレビを見ていると、最近はグルメ番組が主流を占めている加減から、出演者が「美味いッ!」と叫びながら料理を食べている光景を良く見るが、特に若い人に左で箸を持ったり、ナイフを器用に扱っている人、要するに左利きが余りに多いので、我々高齢者も違和感を抱かなくなった。察するに、今の若い親は左利きの自分の子供を見ても「片輪」と思わず矯正もしないらしい。ただ、ハサミや包丁、ゴルフのクラブなどは一般に右利き用に作られているので、左利きの人は特別仕様の道具を探すのに苦労しているかも。


上記随筆を寄稿した人は「父親が私を野球の選手にしようと思って無理に左利きにした」との母親の言葉を紹介しているが、この時代にギッチョで活躍したプロ野球の選手とは、川上哲治氏か金田正一氏が父親の頭にあったに違いない。ギッチョが片輪と認識されていた時代でも、この二人は特別扱いだったようである。







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