ミカンの白いスジに意外な栄養素



胃の切除手術の後、病院の栄養士より三度の食事の間に必ず間食を摂るよう勧められた。胃を失って消化機能が衰えた結果、食べ物が口から腸に直接運ばれることによるダンピング症候群に陥ることを防止するためである。市販の栄養機能食品やカステラ、ビスケットなどの他に強く勧められたのは果物で、栄養価の高いバナナやミカンの名が挙がった。


退院後は時あたかも冬季に入り、季節の果物として丁度ミカンが旬を迎える時だった。今は冷凍技術が発達して、野菜や果物、魚介類の季節感が薄れて来ているが、古い世代には季節と連動した旬の食べ物は直ぐ頭に浮かぶ。私はミカンは実を包む中袋の措置が煩わしく、柑橘類は余り口にしなかった。中袋だけではない。その表面に網の目のように付着している白いスジを取り去るのが手間だったためである。ミカンは白いスジを除いて食べるものとの固定観念があった。


ところが、栄養士の話ではこの白いスジ(正式にはアルベトという覚えにくい名があるらしい)には豊富な栄養素を含んでおり、血流の改善、血圧低下などの他にダイエット効果があると言う。白いスジだけではなく、果実を包む薄皮も腸内でゲル状になり排便を促進し、コレステロールを排出をさせる働きがある。外皮にも油汚れを流したり、風呂に入れて血行を促進するリラックス効果もあり、漢方薬として消化促進、食欲増進、風邪や咳による喉の痛みにも利くので、外皮を剥かずにそのまま食べる人もあるという。外皮の断片が浮くオレンジ・マーマレードは理想的らしい。言うまでもなく果実はビタミンCの宝庫で、ミカンは栄養補給の間食に理想的な食べ物と言える。


但し、白いスジは消化が悪く、胃腸の弱い人には勿体ない話だが取り除いた方が良い、中袋も腸内でゲル状になると言うものの、前段階で胃による消化の前処理があっての効果だから、私のような胃の大部分を失った人間は従来通り、白いスジをむしって両手の親指と人差し指でミカンの中袋の下部をつまみ、前歯で果肉を絞り出して食べる方法で良いとのことであった。


長い講釈を聞かされてミカンの栄養豊富さを知ったが、私には今までの食べ方で良く、粗略気味だったミカンを再び手にすることになった。毎日、午前と午後で1個ずつ食べることにしている。



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

ナイス

この記事へのコメント