大き過ぎて潰せない


英語に“Too big to fail”という表現がある。「大き過ぎて潰せない」の意味だが、文字通り解釈すれば、山岳地方を走る国道などに巨大な岩石が道を塞いで取り除く場合とか、大型建造物の取り壊しが予定されているものの大き過ぎて簡単には処理出来ない場面が思い浮かぶが、この表現が使われるのは特に銀行や財閥など大きな企業組織が経営不安に陥った場合に主に使われる。頭文字をとって“TBTF”と表記されることがある。


今回取り上げるのは、本来の意味の金融・経済問題ではなく、日本国籍の大型コンテナー船がスエズ運河で座礁して動けなくなり、世界の大動脈を塞いでしまって動きが取れなくなった事件である。


私は南米駐在時代にパナマに出張した時、パナマ運河を航行する日本の貨物船を見て感動したことがある。今回スエズで座礁した貨物船程大型ではなかったが、太平洋と大西洋の海面の高度差を調整するシステムだけでなく、良くもあの狭い運河を、ゆっくりではあるが大きな船が通過出来るものかと感心した。


私の毎朝のウォーキングに利用する農道を乗用車が侵入して来て歩行者を田圃の畦に避けさせる光景に似ている。この場合は渋滞の抜け道として道路標識を無視した違反走行であるが、スエズ運河にせよパナマ運河にせよ迂回航路がないか遠方のため止むを得ず船が離合出来る余裕がなくても幅が許せば航行している。運河を管理する側とすれば、船のトン数が大きいほど通行料が稼げるので、年々世界の物流量が増える中で貨物船が大型化する流れにあり、運河の通行を制限する動きも幅を広げる計画はない。大型化し過ぎて船を壊すことも出来ないと言われる。


今回の事故は、天気の急変によるとされ人為的なミスは報道されていない。今後共、起り得る事故であり、未然に防止するにはやはり道交法のように船の大きさによる通航制限をする他はないようである。


運河を塞いでいた貨物船は今日3月30日、なんとか浮上に成功しゆっくり動き出した。BBCニュース電子版に掲載された動画を見ると、甲板上に8~10段に積み上げられたコンテナーが殆ど歩く速度で岸すれすれに移動して行くのが見られた。今回の事故で422隻もの船が渋滞し、解消に4日程かかると言われる。



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