選挙のための政治



日本の政界は選挙のために動いている。マスコミも選挙となると俄然元気が出て来る。今回、菅政権初の国政背選挙と位置付けられた衆参3選挙の結果が判明したことで、メディアは一斉に「自民、3選挙で全敗」と鬼の首を捕ったような騒ぎの報道となった。大方は「予想通り」の論調である。


最近は小学生まで良く知られている孫子の「兵法」の中に、「知彼知己 百戦不殆」というのがある。私は少年の頃からこれを「敵を知り己を知れば百戦危うからず」と覚えていたが、正しくは「彼を知り己を知れば百戦殆ふからず」と読むらしい。誰もが知っている教訓ながら我々の先人はこれに目を瞑って太平洋戦争に突入して国を滅ぼした経験を持っている。


今回の3選挙に対して自民党は北海道の衆院補欠選挙で候補者を立てず、初めから不戦敗を選択した。収賄罪で起訴された吉川元農水省の離党により汚いカネまみれの印象がミエミエの補選だから「己を知って」身を退いた正当な姿勢だった。ではこれ以上に1億5千万円も投じてゴリ押しに当選させた河井案里前議員の巨額買収事件で無効になった広島参院再選挙の場合はどうか。


自民陣営の心の中は、カネまみれの政治に口を閉ざしている中での選挙にヤバイという気持ちはあったに違いないが、歴史的に選挙に負けたことのない強固な地盤を頼りに、カネにはキレイな印象の候補者を擁立して選挙に臨んだ。しかし、1億5千万円投下の背景を一切説明しない菅・二階両氏の応援を足止めされる他、自民本部と県連の確執、応援部隊の公明党の不信を買うなど「知彼知己」に反する行動をとった結果、広島で初の敗北を経験した。


首相は衆参3選挙で自民党が「全敗」したことを受け、「大変厳しい結果」と認めた上で「国民の審判を謙虚に受け止め、正すべき点はしっかり正していきたい」と述べたが、「正すべき点は何か、如何に正すか」を公表し、国民に姿勢を示すとは誰も思わない。それよりも、次の衆院選をどのような態勢でいつ行うか、政局も政党もお得意の選挙のための政治に目が向けられている。喫緊のコロナ対策と対応はまさに次の選挙のためにある。






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