新聞連載小説「恋ふらむ鳥は」



長らく耳にすることがなかった「恋ふらむ」という言葉を見付けた。毎日新聞夕刊に連続掲載されている小説の題字である。中学生の頃、初めてこの言葉に行き当たった時は「こいふらむ」と読んで何の意味か分からなかったことを覚えているが、正しくは「こふらん」と読み「恋をするらしい、恋をするといわれている」という意味らしい。出典は万葉集にある「いにしえに恋ふらむ鳥はほととぎす」とある額田王の作品である。この後どう続くのか覚えていない。


小説のタイトルとしては珍しいが、夕刊の連載小説にはあまり気を留めなかったので極最近まで気付かなかったが今日5月15日で293回、もう直ぐ300回になる。作者は澤田瞳子。「


「歴史の時代を知ったのは小説から」と良く言われるように、私も本を読み始めた子供の頃から「義経物語」や立川文庫の講談本、シェイクスピアなどを通じて各時代の動きを知った。日本人の誰もが、源平時代や戦国時代、幕末の歴史に詳しいのはその時代の小説や映画、タレビの大河物語に取り扱われるのが多いからである。「恋ふらむ鳥は」のタイトルを見て、額田王を連想し舞台は天智・天武の近江京、飛鳥時代らしいことは直ぐ判る。


ただ戦国時代や幕末に比べ、飛鳥時代を舞台にした小説は極めて少ない。中大兄皇子の蘇我入鹿暗殺の乙巳の変や壬申の乱、白村江の戦いなど小説の題材としてはスリリングなドラマティックな話題が多いが意外とこの時代を舞台にした小説は少ない。他の時代に比べて時代考証となる文献が乏しいからかも知れない。僅かに黒岩重吾がこの時代を舞台にした小説を残しているのが知られているくらいである。


その意味では、毎日夕刊に出ている澤田瞳子の連載小説は貴重である。今日は大友皇子が大海人皇子と勢田大橋で戦うクライマックスの一つである。これから先、大海人皇子が天武天皇となり額田王を娶るまでの「茜指す紫野行き標野行き・・・」の名場面まで続く筈である。連載が始まって10ヶ月経っているが、毎日新聞のサイト(こちら)で最初から読むことが出来る。楽しみな連載である。













ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

ナイス

この記事へのコメント