憲法改正支持が国民の半数を越えた



今日は憲法記念日、1947(昭和22)年5月3日の施行から74年を迎えた。その後、毎年のように論議されている改憲賛否の世論調査の結果が年と共に賛否の差が縮まり、今年は初めて「改正すべき」とする声が「反対」を上回った。時間の経過と共に国民の考えの移り変わりを感じさせる。


今年の世論調査結果では憲法改正に、NHKが賛成33%・反対20%、朝日新聞が賛成45%・反対44%・毎日新聞は賛成48%・反対31%、読売新聞が賛成56%・反対40%といずれも昨年までの傾向から逆転している。


従来は改憲を叫ぶ声が大きかっても国民の大半は否定的だった。世論調査に参加した年齢別・世代別の賛否推移を見ると判る筈だが、戦争を経験した世代と戦争を知らない世代の比率とリンクしている筈である。事実、早くから改憲を主導していた代々の自民党政権でも実際の動きは慎重だったのは、戦争の悲惨さを経験した年齢層が指導的な立場を占めていたからに違いない。


ところが、今の自民党で改憲を強硬に主張しているのは、戦争を知らない世代で尚且つ太平洋戦争や東京裁判を検証しようとしない安倍前首相である。安倍氏が退いた後、菅首相は改憲論議に関心が薄いと自民党内では司令塔を無くして、党内では改憲機運は低下していると見る向きもある。


改憲と言えば、論議の中心は第9条の再軍備禁止の条項である。憲法の規定と今の自衛隊の存在は我々だけでなく世界の誰が見ても違憲である。従って、改憲論議の代表的な標的になっているが、その他にも選挙の一票の格差とか差別問題、今盛んに論議されているジェンダー格差など、違憲とされながら平気で日常生活の中で通用している問題が多い。


改憲推進論者は第9条を前面に立てているが、その実は現在最高裁判所判定でさえ違憲と判断されているこの種の問題を一挙に合憲化しようとする狙いがある。改憲賛否の判断はこれらを総合的に俯瞰する必要があり、自衛権だけに目を奪われては知らぬ間に3/4世紀も改訂されることなく守られて来た平和憲法の精神が我々の世代で失われることになる。