オンライン診療



厚生労働省は2015年にオンライン診療の普及を発足させた。サービス開始5周年となった2020年12月末現在、全国で2300の病院・診療所で利用されているとのデータがあるが、「オンライン診療を利用する臨床現場の医師への意識調査」でオンライン診療によってコンビニ受診が増減したかについて聞いたところ95%の医師は「減った」「どちらかといえば減った」「変わらない」と回答し、オンライン診療がコンビニ受診等を助長する可能性は低いと推察されている。コンビニ受診だけでなく、オンライン診療に対する医師の関心は高まっていないようである。


オンライン診療が導入された直後、厚労省ホームページに登録されている地域別医療機関名簿の中に私が良く利用している大病院及びかかりつけ医の名前があったので、利用方法について聞いて見た。自宅からオンラインで診療が受けられるのなら、満車の駐車場の空きスペースを求めて探し回ったり、「2時間待って3分診療」というムダが解消されると期待して大きな関心があったのである。いつも診察を受けている馴染みの3人の医師の意見では「オンライン診療の名簿に登録はしたが、日々の診察や治療、手術で忙しくてとても対応する時間がない」と極めて消極的であった。


ところが今日の朝日新聞デジタルによると、菅義偉首相が昨年9月の自民党総裁選の際から訴えてきた規制改革の目玉政策であるデジタル化の一環として、「政府は新型コロナウイルスの流行期に限って初診でも認めていた「オンライン診療」について、恒久的に行えるようにする方針を決めた。かかりつけ医に診てもらう場合だけでなく、健康診断の結果を示したり、医師と患者の合意があったりした場合も可能とする。かかりつけ医をもたない人にも受診の道が広がった」との報道があった。


「政府はオンライン診療を離島やへき地での遠隔診療として2015年に「事実上解禁」としたが、厚労省の指針では、初診は医師と患者が対面することを原則としてきた。今回、かかりつけ医以外の医師に対して健康診断の結果を示したり、かかりつけ医ではない医師と患者でも事前に合意したりした場合はオンライン初診が可能とした」とある。


しかし、私の周囲の医療関係者の意見と、そうでなくても新型コロナ禍で逼迫している医療設備と陣容の中で期待出来る程の成果が上げられるのか、「箱を作って中味がない」単なる秋の選挙目的に過ぎないのか、慎重に成り行きを見守る必要がある。