僅少差の分断社会



最近のニュースで社会がほぼ同数で分断されているケースが目に付く。やや過去に遡るが、2016年の米国大統領選挙では投票数でクリントン候補が48%、トランプ候補が46%を獲得、トランプ氏が投票数では260万票下回るものの同国の選挙制度により州単位の選挙人を多く獲得して大統領に選出されている。


米国大統領選挙では歴代似たような実績があり、1984年のレーガン候補や2008年のブッシュ候補は相手候補より18%少ないにも関わらず大統領になった。18%と言えば大きいようだが、有権者数全体が2億人を超えるので双方の支持者はほぼ同じ人数と言える。


最近の例では、イスラエル議会がベネット党首率いる連立政権に対する信任投票で賛成60票、反対59票、棄権1票の1票差の賛成多数で承認し、12年続いたネタニヤフ政権が交代した。文字通り賛否同数に近い2派の議員が共存することになる。


先週6月10日に行われたペルー大統領選挙では急進左派ペドロ・カスティージョ候補とケイコ・フジモリ候補が開票率99.3%の時点で、50.2%:49.8%の0.4%という僅少差で競り合っている。こちらも両派ほぼ同数の支持を受けている。


かっては、英国でEU離脱の国民投票を行った結果、離脱賛成派が僅かに上回り、事前の世論調査で離脱反対が多いとの予測が広まった結果、面白半分に賛成を投じた反対者が後悔している記事が出たことがある。


どのケースの場合も、国民や議会が真っ二つに分断されていて同じ数だけの支持者が共存する社会になっている。


かかる相反する二つの層が社会を分断している国際的な動きに対して、我が日本の現状はどうか。国会の議席では相変わらず自民党が多数を占め、不祥事続出で多くの離党者を出しても痛くも痒くもないと国民の代表との自覚がないしたい放題の言動である。コロナ対策がまだ不十分でワクチン接種率も国際情勢に遅れを取っている中で、野党の国会期限延長要求を無視して早々に閉会の構えである。国会議員でありながら議会を軽視し職場放棄の姿勢が露わである。かっての世界に冠たる経済発展、高度な技術力、教育レベルの高さは今では急激に後退して他国に追い抜かれている現状を自覚すべきである。