住みにくい日本だが海外から見れば天国



東京オリンピックの事前合宿で16日、滞在していた大阪・泉佐野市のホテルからいなくなったウガンダの選手が20日、三重県内で見つかった。「生活の苦しい国には戻らず、日本で仕事をしたい」のが失踪の理由。選手はホテルの最寄り駅から新大阪駅を経由して新幹線で名古屋に向かい、その後、三重県四日市市内で見つかった。選手は合宿中にオリンピックに出場できないことが決まり、帰国する予定だった。

私も現役中に似たような経験がある。会社が製造販売した製品を購入してくれた顧客をまとめて日本に招き、工場で操作実習や保守教育を行うことが多かった。私は海外来訪者の受入れ部署の責任者をしていた時があった。海外から来訪する顧客は世界中にまたがっていたが、その中で中国からの顧客は、例えば対象機器が医療機器の場合、現地の複数の病院がまとまってどこかの院長か或いは北京や上海、広州などの医薬保健品公司の責任者が団長となって、多い場合は10~15人をまとめ、長い場合は2~3週間のプログラムで滞在していた。


そのグループの中の1名が突然実習に来社しなくなったことがある。団長に聞くとホテル滞在中の夜間にいなくなったらしい。当時の中国はまだ日本の当局の監視が厳しく、過去にも3回ほど同じ経験をしたことがあるので、会社所在地域の所轄警察に急遽連絡した。警察の担当部署は、当時のソ連や北朝鮮など共産圏から会社に来訪があれば、先方から行動聴取にやって来るので、その時の連絡先として私の名が記録されている。従って担当官とも懇意の間柄で実習生失踪を通告すると、「またですか」とやって来た。本来ならこちらから出向いて説明するのが筋だが、何故か警察から出向いて来る慣習になっていた。


中国人失踪の場合、瞬時に全国に通知される。当該者が医師や技師なので失踪中に犯罪の心配は少ないが、一方で団長も蒼くなっている。帰国後、相当の監督責任を負うことになるからである。警察の探索網のお陰で大概の場合は発見されるが、場所は何故か今回のウガンダのケースと同様、名古屋で見付かるのが多かった。失踪の理由は亡命目的だったらしい。


ウガンダ選手失踪事件から、こんな昔話を思い出した。