天皇陛下の開会宣言を座って聞く失態



私は興味がないため東京五輪の開会式をTVで見なかったので事後の新聞・ネット報道の受け売りだが、天皇陛下が起立して開会宣言を始められても菅総理と小池都知事は座ったままで聞いていた。途中で小池知事が気が付いて慌てて立上り、菅総理もそれに追随したという。その場面がバッチリと全国中継されてしまったので二人とも否定のしようがない。


世が世なれば二人のリーダー共に不敬罪で監獄行きである。3日経って大会組織委員会は、「大会進行の脚本の一寸した行き違いによるトラブル」が原因と釈明した。つまり、陛下の開会宣言に先立つバッハIOC会長が予定を大幅に超える長いスピーチの終わりに陛下に開会宣言をお願いしたため、お言葉の前に全員に起立を促がすアナウンスを流すタイミングがなくなってしまったと言う。


バッハ会長に責任を転嫁したような如何にも子供騙しのような説明である。今回のオリンピックは原則として無観客である。広い開会式会場に選手団の他、役員など五輪関係者しかいない。天皇陛下が立ち上がってこれからお話されようとする時、わざわざ起立を促がすアナウンスが必要な社会慣習に疎い人はいない筈である。ましてや国を代表する総理であり、首都を代表する都知事である。閣議の時、総理が入室すると全閣僚が立ち上がって迎えるのは自然発生的な慣習ではないか。菅総理自身、長い官房長官時代に身に付いている筈である。総理になると態度が尊大になるのか。


バッハ会長が天皇に開会宣言をお願いするという筋書きになかったスピーチの精にしているが、欧州でも王室や元首が言葉を述べる前に出席者全員が立ち上がって聞くのは当たり前の礼儀であることをバッハ会長は承知している。いちいち起立を促がすアナウンスがなくても、全員立ち上がるものと思っていたに違いない。


今回の総理と都知事の不敬な態度は、日頃の皇室軽視の姿勢を内外に示したことになる。今日の各社の朝刊にはベタ記事で小さく触れただけだが、何らかの圧力が働いた結果と見られても仕方がない。本来ならそれだけでは済まされないリーダーの許されない失態なのである。