似た者同士



「似た者同士」という言葉がある。今日ここで取り上げる「似た者」とは米国前大統領トランプ氏と我が首相であった安倍晋三氏である。お互いに現職の時は、トランプ氏が「シンゾウ」と呼び安倍氏が「ドナルド」と呼ぶ程の親しさだったと伝えられる。


トランプ氏の後期の政策は米国が培って来た数々の民主的政策を片っ端から覆し、遂には同氏の病的な陰謀論が嵩じて国際社会のリーダー達の批判を浴びて背を向け始めた時にも安倍氏は引き続き親密なトランプ派だった。ある米紙の論評によるとトランプ氏の安倍氏に対する親密度は両氏の思想・信条が似ているというより、各国の指導者の中でいつも喜んでゴルフの相手をしてくれるのは安倍氏だけと次元の低い見方もあった。


これは米国の一流紙の論評としては如何にも皮肉たっぷりの見下げた見方である。それよりも、実際に政策面や行動実績で良く似た共通点がある。その一つは、「社会の分断化」を招いたところにある。トランプ氏は「米国第一主義」を唱え、数々の国際機関からの脱退や協定の破棄など国際社会の分断化とともに国内でもメキシコ国境強化による移民阻止やBLM運動に代表される白人至上主義と黒人差別問題など国内社会の分断化が助長された。対する日本はどうか。アベノミクス政策による富裕層や大企業優遇措置による低所得層との差別の助長や街頭演説中に批判の声を浴び、「こんな人達に負ける訳にはいかない」と総理大臣の立場で発言すべきでない心情を吐露して反対派との分断化をもたらしたこともある。


昨日のワシントンポストには「バイデン政権、トランプ氏は米議会襲撃の資料提出を拒否出来ない」との長文の記事が出た。今年1月6日の米連邦議会襲撃事件の扇動者はトランプ氏によると理解されている。この事件は安倍氏の「モリカケ・桜」問題と酷似している。双方が自分の関与を公には否定しながらも自意識があるので、この問題を深く調査されることを嫌がっているのである。


他にも両者の類似点を列挙したいがスペースが無くなって来た。あれ程親密だった安倍氏がトランプ氏退陣後はウンともスンとも言わなくなったのも両者の負の共通点を示す何よりの証拠であろう。