プリンター・インク、純正品vs.非純正品



年賀状作成のシーズンになった。年賀状交換の数は年々減少しているとされているが、それでも欧米のクリスマス・カード交換と同様、日本の伝統的文化として、電子メールやLINEなどの伝達手段の発展に関わらず、郵送による交換の根強い習慣が続いている。年賀状作成は肉筆が原則とされた時期もあったが、今ではパソコンによる作成や印刷業者への委託で手間を省ける方法が一般的である。


パソコンで作成したものは、自宅のプリンターで印刷することになるが、欠かせないのはプリンター・インクだが、このインクが結構高価な上に消耗が激しく、良く物議を醸している。市場にはその為に、プリンター・メーカーの純正品と関連付属品・部品メーカー供給の非純正品が併売されている。純正品は余りに高価なため、消費者の少しでも費用負担減に応えるために非純正品が出て来たのである。後者は医薬品のジェネリックの目的に良く似ている。


プリンター・メーカーは電化製品の競合に対処するため、本体の価格を下げてインク販売で稼ぐ方式をとっているため、極端な場合は格安セールスでプリンター価格がインクセットより安値で販売されることすらある。一旦、プリンター本体を買って貰えば、高いインクを繰り返し買って貰えるとの発想である。


この結果、プリンター・メーカーは非純正品メーカーに対しインク製造の特許侵害、非純正品メーカーは独禁法違反で夫々提訴、最高裁まで行った結果、最近最高裁はプリンター・メーカーに対し、独禁法が公平な競争を禁じる「抱き合わせ販売」に当たると認定した(こちら)。「抱き合わせ販売」とは、主商品とそれを補う商品をセットで購入せざるを得なくする行為のことを言う。


今回の例はプリンター・メーカーのブラザーと非純正品メーカーのエレコムの論争であり、純正品は4,130円、非純正品は3,608円で市場に出ている。


プリンター・インクの純正品は他にも、景品表示法に定める内容量の明示がない、実際の内容量を調べた消費者の調査では5年前に比べて現在は30%減っているとの未確認報告もあり、何かと疑惑が多い。いずれ消費者センターなど消費者保護の団体からの動きが出ると期待されている。