人を殺しても執行猶予

左手にコンビニで買った飲み物のカップを持ち、右手でスマホを操作しながら自転車で走るという、何とも曲芸のような無謀な運転で人をはね殺してしまった女子大生に対する裁判で、禁固2年執行猶予4年の判決があった。自転車運転中はイヤホーンで音楽を聴いていたというおまけがついている。“ながらスマホ”が後を絶たないと社会問題化している中で、この判決では“ながらスマホ撲滅運動”の後押しにはならない。

被害者は77才の女性だったという。もの心がつかなかったかも知れないが、戦争体験者の最後の世代である。戦後の食糧事情の悪い時代を苦労して生き抜いて来たのは、孫のような世代の横着な自転車運転で命を落とすためだったかと思うと、やるせない気持ちになる。遺族は巨額の損害賠償請求訴訟をして、裁判長に反省の色がないと言われる本人と後を絶たない“ながらスマホ”世代への警鐘とすべきである。

法律による罰則は、法令違反に対する懲罰と同時に、同じ違反を起す可能性のある第三者への啓蒙と見せしめの意味がある。自転車による犯罪は、道交法だけなら最大5万円以下の罰金か3ヶ月以下の懲役しか適用されない。人を殺したという刑事罰は別の法の適用に求めなければならない。ここは損害賠償請求など大きな損害を蒙るものであることを世間に周知することが“ながらスマホ”を減少させる効果が期待出来る。

とは言う私も、中学生時代に自転車の荷台に友人を乗せ、夜の雨の中を傘差し運転で、おまけに道路の右側を無灯火で運転してお巡りにつかまり、「お前は一挙に何件の違反をしているか分かっているのか」と叱られたことがある。当時は年少のことでもあり、今のように自転車に対する道交法も厳しくなかったので、調書に拇印を押しただけで無罪放免となった前歴を持っているので、あまりエラソウなことは言えない。





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